今月の旅指南

2019年6月21日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

足利尊氏坐像 京都・等持院蔵

 初代将軍の足利尊氏に始まり15代の義昭まで、約240年にわたって続いた室町幕府。政情が不安定になっていく中で、将軍自らが文化活動を推進し、新たな芸術への価値観が芽生えた時期でもあった。歴代将軍の視点から、室町文化の軌跡をたどる、かつてない切り口の展覧会が催される。

 本展では、国宝14件、重要文化財71件を含む室町将軍ゆかりの名品134件を紹介。尊氏が臨済宗の僧、夢窓疎石(むそうそせき)を開山として創建、歴代将軍家の菩提所となった京都・等持院に現存する13体の将軍像(15代のうち5代義量〈よしかず〉、14代義栄〈よしひで〉を除く)が寺外で初めてそろって公開されるなど、見どころは豊富だ。

 このほか、3代義満の時代に始まった日明勘合貿易でもたらされた「唐物(からもの)」と呼ばれる中国の書画や工芸品など、将軍家のコレクション「御物(ごもつ)」が一堂に会する。なかでも6代義教所用の「赤糸威肩白鎧(あかいとおどしかたじろよろい)」(重文)や、8代義政の愛蔵品「青磁輪花碗 銘馬蝗絆(ばこうはん)」(重文)、13代義輝の名刀「太刀 銘長光」(国宝)などは必見だ。

 義政の治世のときに起こった応仁の乱以降、幕府の政治的な求心力が失われていく一方、権威と結びつくことで成熟していった室町文化。歴代将軍が愛でた名品を通して、その美意識と出会いたい。

室町将軍—戦乱と美の足利十五代—
 <開催日>2019年7月13日9月1日 *会期中、展示替えあり
 <開催場所>福岡県太宰府市・九州国立博物館(西鉄太宰府線太宰府駅下車)
   <問>☎050-5542-8600
   URL:https://www.kyuhaku.jp/
 URL:https://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s55.html

*情報は2019年5月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2019年7月号より

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 
 

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