中年留学日記

2012年1月6日

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 アメリカも新年を迎えた。大晦日の31日は、時差の関係でアジアや欧州が次々と新年を迎える様子が紹介されつつ、ニューヨークのカウントダウン中継で盛り上がった。タイムズスクエアに大勢の人が集まり、1月1日の午前零時を迎えると、花火を打ちあげて、「蛍の光」が流れているなかで新年を迎える。ボストンでも中心部で花火があがったが、ニューヨークにはとても及ばない。日本では紅白歌合戦の最後に流れる「蛍の光」だが、欧米では新年を迎えてから流れることが興味深い。

 年末のテレビでは、オサマ・ビンラディンやカダフィの殺害など2011年に起こったビッグニュースを取り上げて1年を振り返っていた。一方、2012年は大統領選挙の年。年明けすぐの1月3日にアイオワ州から野党・共和党の大統領候補者を選ぶ予備選挙のプロセスが始まった。予備選の報道も大きな盛り上がりをみせ、新年までのカウントダウンとアイオワ州の党員集会終了までの2つのカウントダウンがともに紹介されていておもしろい。

 アメリカの大統領選挙は民主・共和の両党が指名候補を選出(予備選挙)し、その後に両党の指名候補同士が戦う本選挙という流れになる。民主党は現職で再選を狙うオバマ大統領で候補者が固まっているので、実際に予備選挙が実施されるのは共和党だけになる。1月3日に始まったアイオワ州の党員集会が、まさにその共和党の指名候補者選びのキックオフとなる戦いだけに、全米の注目が集まった。

半年はつづく選挙報道

 12月までの世論調査では支持率が高い候補者が入れ替わる混戦模様だったが、アイオワ州でもそれまで支持率の低かった候補が浮上する戦いとなり、元マサチューセッツ州知事のロムニー氏が2位の候補とわずか8票差でアイオワ州の戦いを制した。テレビもあの手この手で各候補の戦いぶりを伝える。

 CNNなどのテレビが大型特別番組を組んで、朝から深夜まで延々と放送していた。日本では投票日当日は、報道によるアナウンス効果を警戒して候補者の動きなどは控えるのが慣例だが、アメリカでは候補者の動きなどを逐一、報道していたことは非常に印象的だった。

アイオワ州での党員集会を終え、10日におこなわれるニューハンプシャー州での次の戦い始まりを伝える米主要紙一面記事(1月5日付)

 テレビは街中のごく普通のカフェなどに臨時スタジオを置いて、訪れるお客にインタビューしたりして現場の様子を伝えていた。こうした手法は視聴者を飽きさせない。アメリカでテレビが政治に大きな影響を与える「テレポリティックス」の状態になっているのも理解できる。しかも全米で名前が売れているゴールデンタイムのキャスターを勢ぞろいさせて番組を盛り上げていた。

 アイオワ州の戦いが終わるとすぐに10日に予備選が行われるニューハンプシャー州に候補が移動するが、メディアもすぐに追いかける。6月下旬まで続く各州での党員集会や予備選を逐一、特別番組を作って大掛かりに報道するというのだから驚きだ。日本の衆院選、参院選の投開票時の特別番組を毎回やっているようなものだ。

 ニューハンプシャー州は、ハーバードがあるマサチューセッツ州の隣でロムニー氏も別荘を持っていることからボストン周辺での関心も強い。大学周辺でもロムニー氏の名前を書いた車を見かける。地元紙ボストングローブも「共和党のダイナミックな動き、舞台はニューハンプシャーに」と一面で見出しをとり、決戦が近づいていることを伝えていた。当分の間、テレビも新聞も予備選挙一色の状況がつづきそうだ。

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