Wedge REPORT

2012年1月23日

»著者プロフィール
著者
閉じる

斉藤純夫 (さいとう・すみお)

ウィンドコネクト代表取締役

ウィンドコネクト代表取締役。エネルギー会社で19年間勤務の後、2011年4月に独立。風力発電を中心に、自然エネルギー事業に関する金融機関のコンサルティング及び地域主体プロジェクトの後方支援を行う。前職では化石燃料、電力ビジネス(IPP、PPS、コジェネ、省エネ、空調)などエネルギー全般の経験を持つ。

 次に、資金調達の改善だ。風力発電は初期投資がかさむビジネスであるがゆえに、中小企業、ベンチャーにはハードルが高い。さらに「プロジェクトファイナンス」についても現在、多くの銀行が風力発電事業の失敗事例を見てネガティブになっている。筆者は多くの金融機関からこの問題の相談を受けているが、非常に根が深い問題になっている。しかしながら、金融機関が本格的に風力発電市場に資金を投入しない限り、風力発電事業は拡大しない。これまでの失敗を徹底して検証し、「風力発電はリスクが極めて低いビジネスモデル」であるということを実例で立証していくしかないと考える。

 実績を出せない事業者は脱落していくかもしれない。しかし、この数年で逆に風車を大切に回す、メンテナンスを重視するという事業者も次々と頭角を現してきている。発電パフォーマンスは、企業の大小ではなく、その姿勢に関係していると深く感じる。 

 そのような事業者にプロジェクトファイナンスが適用されていけば、風力発電は活性化していくだろう。固定価格買取制度には新しい金融機関も強い関心を示している。ただ、このままではその資金はメガソーラーなどに流れていってしまうだろう。

 最後に、地域と連携した開発だ。近年の開発は、やや強引なものが目立ちはじめている。結果として、各地で強い反対運動が起き、また稼働後も騒音、低周波音、風車の影の明滅(シャドーフリッカー)の問題も起きている。

 筆者は低周波音の経験はないが、騒音被害の現地で実際の騒音を何度も確認している。大企業の風力発電所が、深刻な被害を出している事例も存在する。(特に愛媛県伊方町では、風車と民家の距離が200メートル前後に複数存在し、騒音が酷かった)。筆者は風力エネルギーは地域の資源であると考えている。地域主体の開発、そこに風力発電事業者がイコールパートナーとして共に開発していくようなビジネスモデルになることを切に願う。

WEDGE2月号 第二特集『風力発電 空回りの理由』
◎“建てて儲ける”からの脱却を(ウィンドコネクト代表取締役・斉藤純夫氏)
◎乱開発の実態と変革の動き

 

◆WEDGE2012年2月号より


 




「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
週に一度、「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。

関連記事

新着記事

»もっと見る