Wedge REPORT

2019年7月19日

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ゴン川野 (ごん・かわの)

フリーランスライター

小学生より写真とオーディオをはじめ、高校では写真部部長として暗躍。コピーライターを経て雑誌ライターに転職。バブル期にオーディオ誌で荒稼ぎしてハイエンド機器を揃える。現在はアップル株値上がりで撮影スタジオ兼リスニングルームの新築を画策中。阿佐谷在住。合資会社GON代表。

年金は国ではなく企業と個人の責任で

Q 日本では年金制度の崩壊が危惧されるが

中島 アメリカの場合は401(k)(フォーオーワンケー)と呼ばれる口座を企業が従業員に対して開設します。この口座に給料から一定額が天引きされ、資産運用される仕組みです。会社がつぶれても大丈夫です。退職金相当のお金がどんどん貯まっていきます。私もアメリカに来てからMicrosoftで10年働きましたが、401(k)で株式に投資して、現在、5000万円ぐらいになっていると思います。

 20年とか30年運用すれば1億円を超える金額になると思います。しかも非課税で天引き・運用されて、口座から引き出すまで税金が免除されます。この頃には退職して収入がないので、税率が低くなっているはずです。株式への投資なのでリスクはゼロではありませんが、長期でETFに投資すればほぼ確実なリターンが得られます。日本は若い人が払った年金をリタイアした人がもらう制度なので、少子化すれば破綻することは目に見えています。

Q 投資はAIよりもETFが人気?

中島 投資先として人気があるのは、インデックスに従って機械的に投資を行うETF(Exchange Traded Fund)ですね。ファンド・マネージャーがアクティブに投資を行う通常の投資信託と比べて、手数料がはるかに安いのが特徴です。

 一派的な投資信託と比較すればかなり安価なので、それも人気の理由です。アクティブファンドは市場平均よりも高い収益を目指すファンドですが、全てのファンドを平均すれば結局は市場平均になるため、手数料が高い分だけ収益が悪くなるのです。年間7%の利益を上げようとすると、手数料1%を支払うのも大きな支出になりますから。手数料の高いアクティブファンドで長期的に利益を上げるのは難しいでしょう。

Q 証券取引はマイクロ秒の争いと言われるそうだが?

中島 AIを使った取引より、今、重視されているのはスピードです。スピードを活かしたHFT(High Frequency Trading)と呼ばれる超高速取引が機関投資家の間では主流です。例えばヨーロッパ市場での動きを読んで、一瞬、遅れるアメリカ市場に間髪をいれずに注文を入れて利ざやを稼ぎます。1秒間に1万回以上の取引ができると言われます。マイクロ秒単位で高速化されたマシンと環境を使って各社がしのぎを削っています。高速化のためにニューヨーク証券取引所の隣のビルにサーバーを設置しいるという話も聞きました。

 HFTはPCによって自動的に売買注文を出しています。この売買の規模が非常に大きいために市場の株価の動きが拡大され、値上がりや値下がりを加速させていることが問題視されています。

自動運転より早い金融のAI化

Q 自動運転と金融のAI化はどちらが早いのか?

中島 自動運転が人間と同じレベルになるのは後5年後ぐらいと言われています。しかし、このレベルでは皆さん納得しません。人間以上のレベルが要求されます。人間より10倍ぐらい運転性能を上げる必要があります。それに法規制のことを考えると10年ぐらいかかるかもしれませんね。高速道路に限ればもっと早く実現できると思います。

 特区にして、例えば第二東名は5年後に自動運転専用道路にするとか宣言すればいいんです。そうすれば企業も重い腰を上げると思います。速度制限も自動運転なら150kmまで出してもいい、そういう進化圧をかければ企業も消費者もやる気になると思いますよ。これをナカジマミクスと呼んでいるんですけど、誰か推進してくれないかなあ~。

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