WEDGE REPORT

2019年7月24日

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崔 碩栄 (チェ・ソギョン)

ジャーナリスト

1972年韓国ソウル生まれ。韓国の大学で日本学を専攻し、1999年渡日。関東地方の国立大学で教育学修士号を取得。日本のミュージカル劇団、IT会社などで日韓の橋渡しをする業務に従事する。現在、フリーライターとして活動、日本に関する紹介記事を中心に雑誌などに寄稿。著書に『韓国人が書いた 韓国で行われている「反日教育」の実態』(彩図社刊)、『「反日モンスター」はこうして作られた-狂暴化する韓国人の心の中の怪物〈ケムル〉』(講談社刊)がある。

午前 日本で放送されたアニメを 午後 韓国で韓国語で視る

 世界的に大ヒットした日本のアニメーション「ワンピース」の人気は韓国においても例外ではない。漫画本はもちろんのこと、アニメーション、関連製品まで、非常な人気を誇っている。その人気がどれほどのものかというと、「需要」に「供給」が追い付けないほどだ。

<韓国最大ポータルサイトNaverの日曜日(21日)の世代別トレンドキーワードランキング。10代はもちろん40代まで同日午前中に日本で放送された「ワンピース」の動画「원피스 894화 애니」を探している>

 先週の日曜日、7月21日の韓国のポータルサイトNAVERのトレンドキーワードランキング、16時の世代別ランキングに注目してみよう。「ワンピース894話 アニメ」というキーワードが10代から40代までのランキングにランクインしている。10代、20代では8位、30代では16位、40代では19位でのランクインだ。

 ここで面白いのは「894話」という数字である。「894話」は日本で同じ日(21日)の9時30分に初回放送されたエピソードだ。というのは、僅か7時間後、韓国のインターネット上ではこれを捜し求める人たちが急増したことを意味する。

 韓国で未放送の「894話」を10~40代という幅広い世代の韓国人が検索する理由は何だろうか? もちろん、韓国語字幕の付いたワンピース「894話」を視聴するためだ。日本で午前中に放送されたアニメーションをわずか7時間後には誰かだかにより勝手に翻訳され韓国のインターネット上に不法公開され、共有される。それを当然のように待っている人たちがそれを見ようとキーワードを打ち込んだのだ。

 実のところワンピースのように世界的な人気を誇るアニメについていえば、このようなケースは韓国だけでなく、他の国でも見ることのできる風景である。インターネットをほんの少し注意してみれば、日本で放映されたワンピースが僅か数時間後には英語、イタリア語、スペイン語などの字幕がつけられ公開されているのを簡単に見つけることができるだろう。著作権保護のためにいくら世界各国が努力していたとしても、個人が不法にアップロードしたものを全て取り締まるのが簡単ではないことは周知の事実だ。

 だか他の国と韓国が違うのは、他の国では日本製品不買運動、日本旅行中止宣言のような激しい反日運動は起きていないという点だ。韓国は日本に対し強い反感と不信感を表明し、製品・商品の販売・購入は拒絶しておきながら、毎週日曜日になると小学生から40代の中年世代までもが、不法行為だということは気にも留めずに「ワンピース」の動画を求め、ネット上を彷徨う。まるで大秘宝(ワンピース)を探しに海(ネット)に出る海賊(不法動画利用者)ように。

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