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2019年7月24日

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韓国大統領府は24日、ロシア政府が軍用機による韓国領空の侵犯は意図的なものではないと、韓国国防省に伝えてきたと明らかにした。しかし、ロシア政府はこれを強く否定した。

韓国政府によると、ロシア軍幹部が「深い遺憾」の意を韓国国防省に伝え、「技術的な故障」が原因だと説明したという。

韓国は23日、ロシア軍機が同日午前9時ごろから、独島(日本名・竹島)上空の韓国領空に2回侵入したため、韓国軍の戦闘機F-15とF-16が緊急発進し、機関銃360発の警告射撃を行ったと発表していた。ロシア国防省は当初、領空侵犯を強く否定し、軍の爆撃機2機が予定通り「公海」上空で訓練飛行をしたと発表していた。

しかし青瓦台(韓国大統領府)は24日、ロシアがその後、領空侵犯はわざとではなく、ただちに事実関係を調査すると伝えてきたと記者会見で明らかにした。報道官は報道陣に、「もし機体が当初の計画通りの飛行路を飛んでいたら、問題は起きなかったはずだと、ロシア政府は話していた」と述べた。

一方で、ロシア政府は領空侵犯を否定した。

ロシアのインタファクス通信は、「韓国メディアにおいて、我が国の軍関係者の発言内容という報道を見た」という、在ソウルのロシア大使館報道官のコメントを伝えた。

「こうした発言内容に注目したものの、この場合においては、現実に呼応しない内容がたくさん含まれていると、自分たちの所見を表明することができる」と報道官は話したという。

24日には中国国防省も、自軍機が他国の領空に入った事実はないと表明していた。

韓国軍は、23日朝にロシア機が3回、中国の軍用機が2回、韓国の防空識別圏(KADIZ)に入ったと主張している。

ロシア国防省は、ロシアと中国がアジア太平洋地域で行う初の共同巡回飛行を、日本海と東シナ海で実施したと説明していた。


この件について日本政府は23日、韓国・ロシア両国に抗議しており、菅義偉官房長官は同日の記者会見で、「竹島の領有権に関するわが国の立場に照らして到底受け入れられず、韓国軍用機が警告射撃を行ったのは極めて遺憾だ」と述べた。


<解説> ワシントンの悪夢になる同盟――ジョナサン・マーカス防衛担当編集委員

ロシアと中国のアジア太平洋における初の「共同巡回飛行」は、両国が築きつつある軍事協力関係について、世界への強力なメッセージだ。正式な同盟関係にはまだ至らないものの、合同演習は大規模で、内容も高度なものとなっている。

中国とロシアの間には多少の緊張関係も残るものの、経済・外交関係はますます緊密になっている。「共同巡回飛行」はその表れでもある。

両国はおおむね同じような世界観を抱き、欧米リベラル民主主義を嫌い、欧米自由主義とは異なる統治モデルを進んで広めようとしている。両国ともに自国の主権をきわめて重視する一方で、他国の主権を進んで踏みにじることもある。

これはアメリカの世界戦略にとって、巨大な課題だ。ロシアは強硬姿勢を続けるが国力は衰えつつある。対する中国の台頭は続き、将来的には技術・経済大国としてアメリカを追い抜く可能性が高い。この両国の関係がいっそう緊密になるなど、アメリカにとっては悪夢のような展開だ。


(英語記事 Russia expresses regret after South Korean airspace violation - Korean officials

提供元:https://www.bbc.com/japanese/49095110

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