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2019年7月28日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

(spyarm/gettyimages)

 「小中高校生の生徒たちに、実際に使われるシーンで外国人と英語で話した「成功体験」を持ち帰ってほしい」ー東京の臨海副都心に学校での英語学習に足りない『実践の場』として昨年9月にオープンした「TOKYO GLOBAL GATEWAY(TGG)」通称「東京都英語村」を見に行ってきた。 

年間20万人が目標

 来場者数は昨年9月から今年3月末までで約5万人、今年はこの倍に当たる年間10万人が目標で、将来的には一般利用も含めて同20万人を目指したいとしている。学校関係者の口コミなどから、現在はほぼ予想通りの来場者数になってきている。1日コースと半日コースの2種類があり、英会話体験を終えて出てきた生徒には笑顔が見られ、授業で習う英語とは一味違う体験ができた充実の表情だった。

疑似体験ゾーン

 同時に約600~700人を受け入れる能力のあるTGGには、2つの体験ゾーンがある。一つは、海外にいるかのような空間で日常会話をイメージしたコミュニケーションにチャレンジできるアトラクション・エリア。飛行機や空港をイメージしたエアポート、ホテル、トラベルゾーンなど3つがあり、各ゾーンに場面を設定した3つのブースがある。生徒たちは約15分間ごとにこのブースを1時間で3つ回る。半日コースはこの1時間セッションを2回行う。1日コースはランチプログラムを挟んで、1時間セッションを4回行い、前後にフィードバックの時間などがある。

 主に中級以上向けには、英語を通じてグループディスカッションや科学実験を行うサイエンスラボ、スタジオで花形ニュースキャスターになった気分で英語ニュース番組作成の体験ができるメディアラボなどがある。またここには東京都と提携しているオーストラリアのクインズランド州で教えている現役の先生が駐在、クインズランドで行っているのと同じ授業を英語で体験できる。

 学校単位でTGGに来ると、生徒は8人ごとのグループに分けられる。そのグループにTGGで「エージェント」と呼ぶ外国人スタッフが1人つき、その場の雰囲気を和ませ、アトラクション・エリアで英語を話すときのサポートを行う。日本語を話すことは禁止、どうしても話せない場合はこのスタッフが簡単な英語で助け舟を出す。

 エアポートゾーンでは本物の飛行機の座席と同じ内装がしてあり、実際の乗務員と同じ服装をしているので、飛行機に乗って海外旅行しているような気分にさせてくれる。また中上級クラスでは、座席の変更、発着の遅延で乗継便に間に合わなくなったトラブルに対処したりする、複雑なやり取りも経験できる。

飛行機に搭乗した想定でキャビンアテンダントと会話風景(TGG提供)

 フライトアテンダント以外にもスタッフおり、が生徒に「What country do you want to travel ?(どの国に旅行したいですか?)」と聞くと、生徒が行きたい国の名前を答える。国の名前が答えられた生徒には、「なぜ、その国に行きたいですか?」と、少し難しい質問を投げかけるなど、様々な会話が経験できる。

レベルに合わせ会話を引き出す

 このように生徒のコミュニケーション能力に合わせて会話を引き出すのがTGGの特徴で、生徒の能力レベルに応じて英語での会話を楽しめる。

 会話のきっかけを作るため、どのゾーンにも「ミッションカード」という簡単な会話のやりとりが書き込まれたカードがあり、これを使って会話の口火を切ってもらい、話をさらに発展させていく仕掛けになっている。

 英語で話すことに慣れない生徒も多いが、グループに付いたスタッフが必ず英語を話させるようにする。最初は単語だけでもしゃべらせて、そのうちに場慣れしてくると、ゆっくりだがスタッフについて話すようなってくる。

最初はどうしても恥ずかしい気持ちが先行してぎこちない感じがあるが、30分もするとかなり打ち解けてきて、スタッフに促されて話していたのが、自分から話す生徒も出てきたりする。

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