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2019年8月7日

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インターネット掲示板「8chan」がセキュリティー企業からサービスを打ち切られ、オフライン状態になっている。サイバーセキュリティーを提供するクラウドフレアは5日、8chanへの保護サービスを停止。数分後にはウェブサイトが使用できなくなった。

8chanをめぐっては、憎悪(ヘイト)を拡散したり、暴力を称賛しているなどといった批判が相次いでいる。3日に米テキサス州エルパソで起きた銃乱射事件についても、実行犯が犯行声明を投稿した可能性を指摘されている。

8chan運営者のジム・ワトキンス氏はYouTubeに「ご迷惑をおかけしてすみません、いずれ良識が勝ちます」と題した動画を投稿。「100万人規模の大きなコミュニティーが新しい家を探している」と発言し、自分たちは捜査機関に協力し、法に則っていると述べた。

また8chanは、たとえ他人を攻撃するような内容かもしれなくても、利用者が自分の気持ちを書き込める「まっさらなページ」に過ぎないと説明した。

ワトキンス氏は、エルパソの事件の犯行声明については、そもそも別のソーシャルメディアに投稿されたもので、8chanに投稿したのは容疑者本人ではないと述べた。

なぜ8chanはオフラインに?

クラウドフレアは8chanのサービスを停止した理由について、同サイトが「ヘイトのはきだめになっていることが繰り返し証明されたから」だとしている。

クラウドフレアの保護サービスが停止したことで、8chanはサーバに意図的に過剰な負荷をかける分散型サービス妨害(DDoS)攻撃への耐性がなくなり、アクセスできなくなった。

これに対して8chanは、別のセキュリティーサービス「ビットミティゲート」に乗り換えた。ビットミティゲートは、ネオナチ系のウェブサイト「デイリー・ストーマー」にもサービスを提供している。

しかし、今度はビットミティゲート自体がオフラインとなってしまった。

ビットミティゲートと親会社のエピックは、共にヴォクシリティーという企業のインフラを利用しているが、ヴォクシリティーがこの2社をネットワークから除外したためだ。

ヴォクシリティーの広報担当者はBBCニュースの取材に対し、「ヘイトスピーチは明らかに我々の運営方針に反している」と説明した。

「これはヴォクシリティーの断固とした方針だ。(中略)より安全なインターネットのために働くべきだ」

8chanユーザーはどこに?

8chan管理者の1人は、このサイトをダークウェブ(暗号化などでアクセスに制限のあるインターネットコンテンツ)で使えるようにするため、取り組んでいるところだと話した。ただしこの場合、ユーザーは特定のソフトウエアや手順を使わなければ、8chanにたどりつけなくなる。

ワトキンス氏は8chanのオンライン復帰に取り組んでいると話す一方、「多くの人が話をする場所を探さなくてはならなくなった」と述べた。

一部のユーザーは、掲示板サイト「レディット」に似た形式のサイト「ヴォート」へと移動したが、このサイトも6日にはDDoS攻撃を受け、アカウントの新規登録を停止している。

ワトキンス氏は動画で、クラウドフレアやヴォクシリティーは一般企業で、自分の利用を拒否する権利があると認めている。

一方でワトキンス氏の支持者は、こうした物議を醸しているウェブサイトを「プラットフォームから除外」することで、インターネットの分散傾向はいっそう高まると指摘する。

たとえば、批判の多いソーシャルメディア「Gab」などはすでにこの方向に舵を切っている。

言論の自由を掲げるこのサービスには現在、ツイッターやFacebookなどで利用停止に追い込まれたネオナチや極右の人物が集まっている。

運営会社はGabのプラットフォームをオープンソースにしているため、誰でも自分だけのGabの管理人になれる。

また、ウェブホスティングを分散化させる「ゼロネット」のようなプロジェクトも出てきていている。ゼロネットでは1つのウェブサーバに情報を格納するのではなく、何千人ものユーザーでデータを共有する。

ゼロネット上にはすでに、8chanの模倣版ともいえるものができている。ゼロネット上のコンテンツはさまざまなユーザーのさまざまな端末に共有されているため、ここに投稿された内容は論理上、管理者や法的機関であっても削除できない。

(英語記事 Where are 8chan users going now?

提供元:https://www.bbc.com/japanese/49259999

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