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2019年8月13日

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アメリカのドナルド・トランプ政権は12日、低所得の合法移民について、ビザ(査証)の延長や永住権(グリーンカード)取得を制限する新規則を発表した。1年以上、食料支援や住居支援などの公的扶助を利用している者が対象とされ、アメリカへの入国や滞在許可を得ることが一層難しくなるとみられる。

今回の「公課規則」は、12日付けの連邦官報の中で公表された。10月15日から施行される。

米政府は、申請者が、将来的に公的扶助に頼る可能性があると判断した場合、申請を却下することができるようになる。

移民関連の規則の変更について、政府は、「自給自足の理想型」を推し進めるだろうとしている。

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誰が対象となるのか

永住権を取得済みで、現在アメリカ国内で暮らす移民については、適用されないとみられる。また、難民や亡命申請者も対象から除外される。

一方で、ビザの延長や、グリーンカード、米市民権の申請者は、この新規則の対象となる。

所得基準に満たない者と、低所得者向けの公的医療保険「メディケイド」や住宅補助手当てに頼ることになると見なされた者は、アメリカへの入国を禁止される可能性がある。すでに米国内にいる者についても、申請が却下される可能性がある。

アメリカ国内には、市民権を持たない合法移民が推定で2200万人暮らしているとされ、この多くが、新規則の影響を受けるとみられる。

複数の公民権団体は、今回の規則は、低所得層の移民を不当に標的にしていると反発している。

全国移民法センター(NILC)は、新規則の施行をやめるよう、トランプ政権を訴える考えだとしている。

ホワイトハウスは、現行の規則は、「自立性があり、我々の公的資金を圧迫しない」移民よりも、「家族との結びつき」がある移民をひいきしていると主張している。

なぜ新規則が導入されるのか

トランプ大統領は、今年5月に学歴や英語力の高い若者を優先する新たな移民制度案を明らかにするなど、移民問題を主要な政策に掲げている。

今回の新規則は、合法移民を制限しようという政権の試みの一貫だ。

ホワイトハウスは声明で、「米市民の利益を守るため、移民は経済的に自立していなければならない」と主張。アメリカへ流入する移民の3分の2が、能力や実績よりも、家族に基づいて」入国しているという。

さらに、中等教育以上の教育を受けていない、非米市民家庭の4分の3(78%)以上が、少なくとも1つの福祉制度を利用しているとしている。

米市民権・移民局(CIS)のケン・クッチネリ局長代行は、12日の記者会見で、今後は申請者の財務状況や教育、年齢、英語能力のレベルを、グリーンカード申請において考慮すると述べた。「単一の要素のみ」で判断はしないという。

入国許可なしの労働者を検挙

米移民関税捜査局(ICE)は7日、ミシシッピ州各地の食品加工工場を立入捜査し、適切な入国許可を持たないとして労働者約680人を検挙した。

両親と引き離され、泣きじゃくる子どもの様子を写した写真が出回ったが、当局は、子どもたちが適切に保護されるような措置を講じたとしている。

アメリカとメキシコとの国境で逮捕される移民希望者の数は、過去2年間で増加した。

一方、米調査会社ピュー・リサーチ・センター(PRC)の最近の分析によると、滞在許可証を持たない移民の数は減少している。

(英語記事 Trump targets legal migrants who get food aid

提供元:https://www.bbc.com/japanese/49327260

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