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2019年8月15日

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ロジャー・ハーラビンBBC環境アナリスト

北極圏で小さなプラスチック片が雪に交じって降っていることが、最新の研究で明らかになった。1リットルの雪から1万個以上のプラスチック片が発見されており、科学者はその数に衝撃を受けたと話している。

これにより、人間の手が加えられていない最後の環境とされる北極圏でさえも、人間が空気中のマイクロプラスチックを吸い込んでいる可能性があることが明らかになった。マイクロプラスチック吸入による健康への影響は明らかになっていない。

ドイツとスイスの調査チームが行ったこの研究は、学術誌「サイエンス・アドバンシス」で発表された。この研究ではプラスチックのほか、ゴム片や合成繊維も雪の中から見つかっている。

調査チームはノルウェー領スヴァールバル諸島で、デザートスプーンとフラスコというありふれた手法で北極圏の雪を集めた。

その後、ドイツのアルフレート・ウェゲナー研究所で混入物を数えたところ、予想以上の数を見つけた。

混入物は非常に小さかったため、出所を特定することは難しいという。

混入物の大半は植物繊維や動物の毛といった自然由来のものだったが、プラスチックやゴム、ニス、塗料などの欠片や、合成繊維とみられるものも見つかった。

研究を主導したメラニー・バーグマン博士はBBCニュースの取材で、「ある程度の汚染は予想していたが、これほどのマイクロプラスチックが見つかったのはショックだった」と話した。

「このプラスチック片の大半が、雪と共に空中からやってきたことはすでに明らかだ」

マイクロプラスチックとは、5ミリ以下のプラスチック片を指している。

人体への影響についてバーグマン博士は、「プラスチックが人体に有害かどうかは分からないが、環境への配慮を強める必要がある」と答えた。

研究ではドイツとスイスでも、雪に含まれる混入物を調べた。その結果、ドイツの一部地域で採取した雪からは、北極の雪よりも多くのプラスチック片などが見つかった。

なぜ北極までプラスチック汚染が広がった?

研究では、マイクロプラスチックが風で巻き上げられ、大気中を長距離飛んで北極圏まで運ばれたとみているが、その仕組みの全容はわかっていない。

その後、空気中の欠片は降雨や降雪によって大気から「洗い流される」という。

4月にイギリスとフランスの共同チームが発表した研究によると、ピレネー山脈のフランス側でもマイクロプラスチックが雪と一緒に降っていることが明らかになっている。

これまでにも中国広東省東莞市やイランのテヘラン、パリなどで、雨や雪からプラスチックが発見されている。いずれも、プラスチックがどこからやってきたかは不透明なままだ。

一方、ニスの欠片が大量に北極で発見されたことには謎が残っている。

調査チームは、この汚染の一部は北極海を航行する船が氷をこすった際に生じたのではないかとみている。また、風力発電のタービンから剥がれ落ちたものだという見方も出ている。

合成繊維は人の衣服のものだとみられるが、現時点では断定できないという。

バーグマン博士は、「こんなに多くのプラスチック包装は必要なのか? 塗料にポリマーを入れる必要があるのか? 車のタイヤを別の形にできないのか? こういった重要な問題を問う必要がある」と話した。

ノルウェー大気研究所のエルビョルグ・ソフィー・ハイムスタ博士は、汚染はノルウェー国内からのものもあれば、遠くから運ばれてきたものもあると話した。ハイムスタ博士は今回の調査には関わっていない。

「北極で分析の対象となっているものの大半は、欧州やアジアなど世界中から長距離を運ばれてきたものだということが分かっている。運ばれてきた化学物質の一部は生態系や動物に有害な物質を含んでいる」

環境への影響は?

BBCは昨年、海に流されたプラスチック片が最も集まっているのは北極の海氷だという報告を掲載した。

海に流れ込んだプラスチックは何百キロ、何千キロも離れた北極圏の海岸に流れ着くこともある。

こうした状況は、北極を人間の手が加えられていない最後の環境だと思っていた人を悲しませている。

ノルウェー北部トロムセの犬そりセンターに勤めるリリさんはBBCの取材で、「このニュースを聞いてとても悲しくなった。海氷にプラスチックが交ざっているなんて。海にも海岸にもプラスチックがあって、今度は雪からも見つかった」と話した。

「ここでは毎日、雪や氷の美しさを目にしている。それが様変わりし、汚染されるのを見るのは心が痛い」

(英語記事 Plastic particles falling out of sky with snow

提供元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-49353653

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