BBC News

2019年8月21日

»著者プロフィール

ブラジル・アマゾンの熱帯雨林が今年に入り、記録的なペースで焼失している。ブラジル国立宇宙研究所(INPE)の人工衛星データによると、森林火災の発生件数が過去最高に達し、2018年の同時期と比べて83%増加している。

最大都市サンパウロでは19日、森林火災の黒煙によって街全体が1時間程度、暗くなる被害があった。この煙は、サンパウロから2700キロ以上離れた北西部アマゾナス州やロンドニア州の森林火災で発生し、強風で運ばれてきたものだという。

ジャイル・ボルソナロ大統領は先に、森林減少のデータについてINPEの所長を解雇したばかり。

環境保護活動家は、ボルソナロ氏が森林伐採・焼き畑を奨励しているとして非難を強めている。

なぜ火災が多発?

INPEによると、今年1~8月の間に7万2000件以上の森林火災があり、観測の始まった2013年以降で最多となった。アマゾン地域では8月15日以降だけで9500件以上が発生している。

人工衛星映像では、北部ロライマ州が黒煙に覆われている。また、アマゾナス州では森林火災を受けて非常事態宣言が発令された。

ブラジルでは乾季に森林火災が起きやすいが、森林を焼いて家畜の放牧地を違法に作るため、人為的に起こされている部分もある。

ボルソナロ大統領は、INPEによる森林火災の最新データを否定し、今は「ケイマダ」と呼ばれる焼き畑の季節だと反発した。

ロイター通信によると、ボルソナロ氏は「私はかつて(森林を伐採する)キャプテン・チェーンソーと呼ばれていたが、今はアマゾンに火をつける(古代ローマ皇帝)ネロ呼ばわりされている」と話したという。

これに対しINPEは、今年の森林火災件数は、通常の乾季に報告される水準を超えていると指摘している。

「今年はアマゾン地域の気候に異常はなく、降雨量も平均をわずかに下回る程度だ」と、IMPEのアルベルト・セッツァー氏はロイター通信の取材で説明している。

「乾季は火を使い、広げるのには好条件がそろう。しかし故意にせよ事故にせよ、火を付けているのは人間だ」

世界自然保護基金(WWF)アマゾン・プログラムを統括するリカルド・メロ氏は、今年の森林火災は「最新のデータで示された焼き畑の増加の結果だ」としている。

ボルソナロ大統領が「森林減少を悪化させている」

ボルソナロ氏をめぐっては、環境保護よりも開発を重視する政策への批判が高まっている。科学者からは、ボルソナロ氏が就任した1月以降、アマゾンの森林減少が大きく加速したとの指摘がある。

世界最大の熱帯雨林を擁するアマゾン地域は、二酸化炭素を吸収するため、地球温暖化を緩和する要となっている。

INPEは7月、6月のアマゾンでの森林減少が前年同月比で88%増加したとのデータを発表した。

これに対しボルソナロ氏は、INPEのリカルド・ガルヴァン所長がうそをつき、政府に損害を与えようとしていると非難。ガルヴァン所長は解任させられた。

INPEは、発表したデータの正確性は95%にのぼるとしている。ブラジル科学協会など複数の科学機関も、INPEのデータの正当性を擁護している。

(英語記事 Brazilian Amazon burning at record rate, space agency warns

提供元:https://www.bbc.com/japanese/49416822

関連記事

新着記事

»もっと見る