BBC News

2019年8月22日

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ボリス・ジョンソン英首相は21日、ベルリンでアンゲラ・メルケル独首相と会談し、イギリスの欧州連合(EU)離脱などについて協議した。その後の共同記者会見でメルケル首相は、EU離脱の焦点となっているアイルランドと北アイルランドの国境をめぐる「バックストップ条項」について、30日以内に代替案を策定できるだろうとの見方を示した。

一方でメルケル氏は、実現可能な計画を提案するのはイギリス次第だと釘を刺した。

これに対しジョンソン首相は、30日という「苛烈な締め切り」は「大歓迎」だと返答。計画策定の責任はイギリスにあることを受け入れた上で、新たな協定締結には「十分な余地がある」と前向きな姿勢を示した。

ジョンソン首相はかねて、テリーザ・メイ前首相がまとめたEU離脱協定を再交渉する方針を示しており、特にバックストップの削除を求めている。

一方のEU側は一貫して、バックストップ条項が含まれる協定は再交渉しないと力説しており、合意なしブレグジット(イギリスのEU離脱)の懸念が高まっている。

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イギリスは3月29日にEUを離脱する予定だったが、英下院が離脱協定を3度にわたって否決したため、10月31日まで延期となった。

議論の焦点となったバックストップとは、イギリスとEUとの間で通商協定がまとまらない場合に、北アイルランドとアイルランドの国境に厳格な検問所等を設置しないための措置。

バックストップでは、北アイルランドはブレグジット後もEU単一市場の一部ルールに従うことになる。そのため、ブレグジット後もイギリスがなおEU法に縛られる懸念が生じている。

ジョンソン首相はバックストップを、「反民主主義的」で「実現不可能」だと批判している。

7月の就任後、初めて外交の席に立ったジョンソン氏はメルケル首相に、合意なし離脱を回避するにはバックストップの削除が必要だと話した。

これを受け、メルケル首相は記者会見で、現実的な代替案にはイギリスとEUのブレグジット後の関係を「完全に明示」する必要があると話した。

「バックストップは常に、この問題が解決するまでの最終手段だ」とメルケル氏は説明した。

「代替案の模索には2年かかると言われてきたが、次の30日間で見つけられるかもしれない」

これに対しジョンソン首相は、「そうした解決策やアイデアを作り出すのがイギリスの責任だと仰ったが(中略)正にそれが我々がやりたいことだ」と返答した。

「そしてとても苛烈な、30日というタイムテーブルを設定された。私がきちんと理解できているなら、それで十分だ」

さらに、メイ前首相はバックストップの代替案を「積極的には示さなかった」が、自分は代替案がどのようなものになるか示すようメルケル首相に催促されたと話した。

ジョンソン氏は22日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と会談する予定。その後、フランス南西部ビアリッツで開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席する。

しかしマクロン大統領は21日、ブレグジット協定の再交渉には応じられないとするEU側の主張を強調した。

マクロン氏はパリで記者団に対し、「現在イギリスから提案されている再交渉は、存在しない選択肢だ。このことは常にドナルド・トゥスク欧州理事会常任議長が明らかにしている」と述べた。

英野党は合意なし回避に奔走

こうした中、イギリスの最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首は今週のガーナ訪問を取りやめ、合意なしブレグジットを回避するための協議に応じるよう下院議員らに呼びかけている。

スコットランド国民党(SNP)のイアン・ブラックフォード議員は、27日に予定されている会議に出席すると認めたものの、コービン党首に「すべての選択肢を検討すべきだ」と釘を刺している。

コービン氏は、次の議会でジョンソン政権に対する内閣不信任案を提出する予定。不信任案が可決された場合、コービン氏は暫定首相となってEU離脱を延期し、解散総選挙を行うとともに、ブレグジットをめぐる2度目の国民投票を求めていく方針だ。

しかし、自由民主党や一部の保守党議員からは、コービン氏を首相にする計画には賛同できないという意見が出ている。

(英語記事 Backstop alternative 'possible within 30 days'

提供元:https://www.bbc.com/japanese/49430097

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