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2019年9月10日

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北朝鮮の高官は9日夜、停滞するアメリカとの非核化協議について、9月下旬に再開する用意があると表明した。それから半日もたたない10日朝、北朝鮮は飛翔体2発を日本海に向けて発射した。

国営・朝鮮中央通信(KCNA)によると、崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は9日、談話を発表。北朝鮮は9月下旬ごろ、同国とアメリカ双方が合意する日程と場所で「対座して」「包括的」な協議を再開する用意があると述べた。

この談話に先立つ8日、マイク・ポンペオ米国務長官は米ABCテレビに出演し、北朝鮮との交渉が数日、あるいは数週間以内に再開できることを期待していると述べていた。

「双方の利益にかなう対案を」

崔外務次官は、談話の中で、非核化協議で合意に達する可能性を維持するためには、米政府が新しい方法で協議に臨む必要があると主張した。

「私は、米国側が朝米双方の利益にかない、われわれが受け入れ可能な計算法に基づいた対案を持って来ると信じたい」

飛翔体の発射

談話発表から数時間後の10日朝、北朝鮮は飛翔体2発を発射した。

韓国軍合同参謀本部によると、飛翔体は午前6時53分と午前7時12分ごろ、西部・平安南道(ピョンアンナムド)价川(ケチョン)付近から東に向かって発射された。飛行距離は約330キロ。

飛翔体発射を受け、韓国の国家安全保障会議(NSC)は、緊急会議を開いた。

北朝鮮による飛翔体の発射は、ミサイル2発が発射された先月24日以来。

米政権は「状況を注視」

米政府高官はAFP通信に対し、今回の発射実験について把握していると述べた。

「われわれは状況を注視し、この地域の同盟国と緊密な協議を続けていく」

ポンペオ国務長官は8日、北朝鮮が発射実験を継続していることについて、米政権は「失望している」と述べた。

「われわれは、金委員長がこうした実験を止めることを望んでいる。しかし、米国務省でのわれわれの使命は、非常に明確だ。それは、交渉のテーブルに戻ることだ」

物別れに終わったハノイ会談

昨年6月、アメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、初の米朝首脳会談で、朝鮮半島の「完全な非核化」で合意した。しかし、これが具体的に何を意味し、どのような方法で実現するのかについては取り決めはなされなかった。

非核化の詳細について、両首脳は今年2月、ヴェトナム・ハノイで2回目の会談を行ったものの、物別れに終わった

トランプ氏は会談後の記者会見で、金委員長が「制裁の全面解除を求めてきたが、われわれはそれはできなかった」と述べ、合意に至らなかった理由を明かした。

突然の会談後も協議は再開されず

トランプ大統領と金委員長は今年6月、韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線上の板門店で、歴史的会談を行った。この時、トランプ氏は現職の米大統領として初めて、境界線を歩いて越え、北朝鮮側に入った。

両首脳はこの3回目の会談で、2、3週間の内に実務者協議を再開することで合意した。しかし、これまでに協議は実施されていない。

トランプ大統領は9日、ホワイトハウスで記者団に対し、「金委員長とは非常にいい関係を築いている。私はいつも、会談を行うことはいい事だと言っている。何が起こるか様子を見よう」と述べた。

(英語記事 North Korea 'willing to restart' US nuclear talks

提供元:https://www.bbc.com/japanese/49644100

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