今月の旅指南

2012年3月23日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 琵琶湖の北東岸に位置する長浜は、かつて長浜城主だった羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)によって開かれた地。毎年4月になると、きらびやかな曳山(ひきやま)による「長浜曳山まつり」が開催され、往時の城下町はシャギリ(囃子・はやし)の音に包まれる。祭りのハイライトとなっているのは、曳山で繰り広げられる子ども歌舞伎の上演だ。

曳山の舞台は4畳半ほどの広さ。見事な装飾から“動く美術館”とも呼ばれる

 「舞台を備えた曳山は全部で12基あり、毎年4基が交代で出番となります。ほかには長刀山(なぎなたやま)という舞台のない曳山が1基で、こちらは毎年登場します。現在伝わっている豪華な曳山が作られたのは江戸中期以降で、物流や縮緬(ちりめん)などの産業で財を成した長浜の豪商が出資し、各山組で競い合って装飾を凝らした曳山が制作されました」

 こう語るのは、長浜市曳山博物館学芸員の中島誠一さん。

 祭りの主な流れを見てみると、13日は長濱八幡宮での御幣(ごへい)迎え、お旅所(たびしょ)に向けて神輿(みこし)の渡り、4基の曳山の出番の順を決める籤(くじ)取り式がある。14日にはそれぞれの出番組の町内で歌舞伎上演の後、曳山が八幡宮の境内に入る“登り山”、さらに夜には子ども役者が舞台衣装で各山の町内へ戻る儀式“夕渡り”の行列がある。

 15日は子ども役者が八幡宮へと歩く“朝渡り”、境内では13日の籤順に4つの曳山で子ども歌舞伎が奉納される。その後曳山はお旅所に集まり、ここでも歌舞伎が納められる。そしてお旅所から神輿が八幡宮に還御(かんぎょ)した後、提灯(ちょうちん)を点(とも)した曳山が長刀山を先頭に各町内に帰る“戻り山”がある。16日は後宴として、子ども歌舞伎が町内で上演されるほか、長浜文化芸術会館でも招待観劇会が催される。

 「見どころを挙げるなら、14日の登り山、それに夜の夕渡りまで、その日は長浜に泊まって楽しむのがお勧めです。また昼間だけなら、15日に八幡宮で子ども歌舞伎を通しで見るのもよいでしょう」

 子ども歌舞伎を演じるのは、いずれも5~12歳の男の子。世代を超えた伝統への思いが伝わってくるようだ。

*長浜曳山まつりに関する展示が見られる。長浜市元浜町14-8 0749(65)3300


長浜曳山まつり
<開催日>2012年4月13日~16日
<会場>滋賀県長浜市・長濱八幡宮および市街地一帯(琵琶湖線長浜駅下車)
<問>長浜市観光振興課 0749(62)4111
http://nagahamashi.org/index.php

 

◆ 「ひととき」2012年4月号より



 

 

      

 
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