こう見てくると、中国としては、どうしても必要なぎりぎりの段階まで直接介入を避け、曖昧な対応をとり続けざるを得ない。そこに、韓国が中国に働きかける余地があるかもしれない、と言っています。
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ランコフの論評は、北朝鮮の中・長期的将来について代表的なケースをシナリオとして提示したものです。その中で、北朝鮮と韓国の関係が交渉を通じて徐々に変わっていくことはありえないとして、突如として変動する場合のみを取り上げている点が注目されます。
他方、韓国から見て、中国との関係をいかに巧みに処理するかが、将来、韓国主導の吸収・統合を可能にする最大のカギだとする点は、その通りと思われます。
しかし、中国の北朝鮮に対する関心は、今日では、周辺地域の安定や緩衝地帯といった地政学上の考慮を超えて、自らの政治体制維持という切実なイデオロギーに深く根差したものとなっているので、中国にとっての妥協範囲はきわめて狭いものになっています。つまり、政治体制の一致は今後とも中国、北朝鮮を結びつける共通の基盤として重要な要素であり続けるものと思われ、中国が韓国主導の統合案に容易に賛成することはないと思われます。