スウェーデンで生きる 海外移住だより

2012年4月16日

»著者プロフィール
閉じる

伊藤清香 (いとう・さやか)

2年半の遠距離恋愛を経て、2008年冬にスウェーデンに移住した。「移民」としての生活に悪戦苦闘しながらも、新しい土地での一からの可能性に、人生を模索中。

 スウェーデンは正式名をスウェーデン王国と称し、1809年に立憲君主制が成立して以来、国王を元首としています。現在のカール16世グスタフ国王には第一子に長女ヴィクトリア王女がおり、第一王位継承者は彼女。いずれは女王の国となることが決まっています。

待ち望まれた王女の第一子誕生

 そのヴィクトリア王女が、今年の2月23日午前4時26分、第一子を出産しました。身長51cm、体重3280gの小さなお姫様。昨年8月中旬にご懐妊が発表されてから待ち望まれていた、将来の王位継承者の誕生です。

 誕生の翌日には国王によって、エステル・シルビア・エヴァ・メアリー、通称エステル王女という名が発表されました。

国中が祝賀ムード

王室のFacebookでは、出産前後の動きについても国民に向けて情報公開していた。ヴィクトリア王女は分娩室到着の3時間半後に出産、その8時間後には第一子を連れ家族とともに自宅のハーガ宮殿に戻る、という母子ともに健康な安産だった。ちなみにスウェーデンでは出産同日に退院するのが一般的。
拡大画像表示

 エステル新王女の誕生には、国中が喜びに溢れました。当日はメディアも朝から一日中祝賀ニュースを流し、正午にはストックホルム市内で祝砲が放たれ、ストックホルム宮殿の外にはたくさんの市民がお祝いに駆けつけました。王政廃止を唱える共和主義協会(Republikanska Föreningen:民主共和国の成立を目指す、政治的・宗教的に独立した組織)も、この日に限っては王女夫婦を祝福。多くのケーキ屋では数日間、ピンク色のマジパンに覆われた「プリンセスケーキ」(本来は緑色のマジパンに覆われているスウェーデンの伝統ケーキ)を大量に販売、品切れが相次ぎました。

 また、国営保険機構も3月20日付けで王女夫婦に第一回育児手当てを支給することを表明。これを機に、若い世代カップルに向けて平等育児手当(父親・母親が平等に育児休暇を取ることを目指した育児休暇制度)申請の更なる宣伝を行っています。

 エステル新王女の姿は、誕生から4日後の27日に初めて一般公開されました。また3月23日には、スウェーデンを訪問していたチャールズ英皇太子とカミラ婦人を迎えての王室昼食会にて披露され、生後1ヶ月にして数分間の初公務をこなしました。5月22日には洗礼式が予定されています。

王位継承論争は1980年に決着

 1763年から続く現在のベルナドッテ王朝。カール16世グスタフ現国王は、第7代目の国王となります(父親グスタフ・アドルフ王太子は即位前に飛行機事故で逝去)。日本の天皇と同様、国王は国家の象徴としての位置付けで、政治的権力は一切ありません。国王また王位継承者はスウェーデンで唯一信教の自由がなく、ルター教会に属すことが義務付けられています。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る