田部康喜のTV読本

2012年4月18日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 「BBC WORLD NEWS」は、米ヤフーの経営立て直しを報じている。ヤフーはどこへ行く。グーグルやソーシャル・ネットワーク・サービスとの競争が続くことを指摘して、ニューヨーク市立大学の経営学者は、厳しいコメントをする。キャスターは、ヤフーの株価のグラフを背にして、CEOの交代後も下落傾向が続いている事実を告げる。

 BBCそして、CNN――CS放送のサービスに加入すれば、英語のニュースは、自宅の書斎に入ってくる。タブレットで無料のアプリケーションを「購入」すれば、FRANCE24と中東のアルジャジーラの英語放送が、膝の上に。

親会社依存体質
テレ朝のニュース部門

 ニュース戦争のなかで、放送局はかつてないほどに、競争にさらされている。

 読者のみなさまに読んでいただこうと、キーボードをたたいているいま、2012年4月17日14:50――ついさきほどまで、録画を観ていた前日夜のニュースショーが、本日のテーマである。

 テレビ朝日の「報道ステーション」(報ステ)は、ビデオリサーチが公表している視聴率の報道部門10傑のなかで、NHKのニュース番組を除いて唯一民放として入っている。1985 年10月に始まった、前身の「ニュースステーション」から続く老舗番組が健在である。

 報ステに隙はないのか。あるとすればそれはなにか。

 そのヒントのひとつは、民放の夕方のニュース番組のなかにひそんでいるように考える。夜のニュース部門では、報ステのテレ朝がかろうじて首位を守っているが、夕方のニュース部門では、このところ、日本テレビの「news every.」が独走している。テレ朝は顔色を失っている。

隠しきれない取材網の手薄さ

 ニュース部門の独自取材、その裏付けとなる報道局の体制が最終的には、ニュース戦争の帰趨を決すると筆者は考える。民放キー局のなかで、テレ朝のニュース部門は、親会社の新聞社に依存するところがあまりにも大きい。

 「報道のTBS」とかつていわれた同局は、報道局のなかにまっさきに経済部を創設し、日本テレビも続き、フジテレビも、報道局の体制つまり取材網を永田町の政治村や、霞が関の官庁街に確実に拡大してきた。テレ朝の取材網の手薄さは隠しようもない。

 2012年4月16日の報ステを観る。この日のメインの特集は、北朝鮮とシリア、番組のプロデューサーの力点はこのふたつにあったようにみえる。

 北朝鮮の政権継承の式典に特派員を派遣するとともに、独自の批判的な視点をいれよう、という意図はうなずける。北朝鮮の地方に住む女性との電話による取材の音声である。特別の配給があったことや、衛星打ち上げというミサイル発射の失敗に対する反応などについて、その女性は語る。

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