動物愛護法改正 猫カフェは
触れ合いの場から飼い主探しの場へ


成田 司 (なりた・つかさ)

ブリーダー、ペットショップ、ドッグカフェなどに勤務し、ペット業界を幅広く知り尽くす。現在は日本版ティアハイム(保護施設)建設を目指すGiraf Project(http://somode.info/giraf/)を主催。

ペットビジネス最前線

1兆円産業とも言われるペットビジネス。手の込んだおやつをはじめとした多種多様なフード、需要急増のペットシッター、人間顔負けの「癒し」サービスなど、裾野は広がるばかりだ。参入企業も増える一方、抱える問題も少なくない。ペットビジネスの「光と闇」を業界を知り尽くした著者が詳細にレポートする。

»最新記事一覧へ

巷で人気の“猫カフェ”で若い女性客と一匹の猫をシェアしながら会話が弾み、来店の目的を尋ねると囁くような声で 「ちょっと浮気がしたくなって…」

 うーむ、これはゆゆしき事態に…。

 平日の昼下がり、スーツ姿の若い男性2人組と学生らしきカップル、3人組の若い女性たちが愛らしい仕草を見せてくれるスタッフ猫たちを思い思いに愛でながら時間を過ごしている。聞くと飼い猫以外の猫をいじりに来ることを愛猫家たちの用語で「浮気」と呼ぶらしく、あらためてお気に入りの猫へと気持ちを集中することになりました。

ドッグカフェと猫カフェの違い

可愛らしい猫たちと触れ合える猫カフェ。しかし、動物愛護法改正で規制される「展示時間」をめぐり、オーナーたちが猛反発している (写真はイメージ)

 犬との生活の中でドッグカフェを利用することはありますが、猫カフェに足を運ぶことはあまりありませんでした。どちらも“カフェ”という形態の店舗ですが、内容が大きく違います。ドッグカフェは自分の犬と飲食を楽しむ場所、業種としても飲食業の許可で営業できます。猫カフェはお店の猫との触れ合いを楽しむ場所ですので、営業を行うためには飲食業以外に動物取り扱い業の届け出を行う必要があります。料金も前者は通常の飲食店と同様、注文した食事に対しての課金ですが、後者はマンガ喫茶のように時間制での課金となっています。

 犬との生活を楽しむ人の多くは屋外での活動を好む傾向があります。愛犬を思い切り走らせてあげられる環境へ連れ出したいという思いと、一緒に利用できる施設が増えたことも要因となっているようです。普段のお散歩はもちろんですが、ドッグスポーツやショッピングを楽しんだり、旅行先へ同伴したりなど、愛犬との活動範囲は広がっています。このような時、ドッグカフェが良い休息の場となってくれます。ブログ仲間とのオフ会やお散歩仲間とのコミュニティの場としての需要も多く、人気のお店は週末ともなると席待ちの列ができることも珍しくありません。

 店内ではお店自慢のドリンクや食事だけでなく 、飼い主同様に犬との生活を楽しむ方たちやお店スタッフとの交流を楽しむこともできます。吠えてしまう子や挨拶のできない子、粗相をしてしまう子など様々な状況を体験できるのも飼い主にとって意味のある施設です。このような場所を通して飼い主自身が公共マナーや犬の扱い方を考え学ぶ場ともなっています。もちろん犬という生き物を理解し、意識を高く持つお店と飼い主という前提があってのことですが。

おもちゃやおやつも 猫カフェの楽しみ方

 一方、猫との生活を楽しむ人は、その性質上一緒に屋外での行動とは無縁になりがちです。どちらかと言うと自立していて気まぐれに愛想をふり甘えてくる、そんな魅力を持つ生き物です。犬のように何処にでも一緒に連れて行っても喜んではくれないのが現実のようです。自宅で一緒に過ごす時間、そしてかわいらしい仕草を観賞する楽しみ。それが猫との生活なのでしょう。

1
nextpage
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
「ペットビジネス最前線」

著者

成田 司(なりた・つかさ)

ブリーダー、ペットショップ、ドッグカフェなどに勤務し、ペット業界を幅広く知り尽くす。現在は日本版ティアハイム(保護施設)建設を目指すGiraf Project(http://somode.info/giraf/)を主催。

WEDGE Infinity S
ウェッジからのご案内

Wedge、ひととき、書籍のご案内はこちらからどうぞ。

  • WEDGE
  • ひととき
  • ウェッジの書籍