ショーゼンさんの 川柳いろは教室

2012年5月20日

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杉山昌善 (すぎやま・しょうぜん)

1943年生まれ。川柳は川柳作家・時実新子氏に師事、テレビ・雑誌などさまざまな媒体で選者を務めるほか、都内を中心に川柳教室などを開く。著書に『今日から始める現代川柳入門』、『60歳からの新しい川柳』(実 業之日本社)ほか。

 みなさん、こんにちは。川柳作家の杉山昌善です! 

 思わずクスッと笑ってしまったり、ホロリときてしまう光景。小さな出来事は、案外心に灯りを点してくれる。5・7・5の川柳は、そんなシーンを切り取るのにぴったりです。

 ふと日常を見渡すと、そんな川柳の芽がいっぱい芽吹いている。でも、それをうまく見つけられるかどうかが大切です。その目を養うことが、最初の一歩。

 きょうは、川柳を詠むために必要な“視点”について考えてみますよ。

まずはとにかく詠んでみる

 では今回から、実作を交えて川柳とは何ぞや? を学んでいきましょう。川柳教室の開講ですよ。生徒は、神田で働くOLにして川柳詠みをめざす、大井川のぞみさんです。

のぞみ はじめまして。越すに越されぬ永遠の29歳、大井川のぞみです(笑)。川柳はまだはじめたばかりですが、よろしくお願いします!

ショーゼン きょうは手始めに、日常を雑詠(ざつえい)してみようかな。雑詠とは、お題にしばられずに自由に詠むこと。詠むべき「お題」が決まっている題詠(だいえい)もありますが、こちらは次の機会に。

 読者の方々も、まずは下手でも何でもいいから詠んでみてくださいね。詠んで形にすることで、だんだん、自分の句をどう改善していくべきかが見えてきますから。この教室では、一緒に階段を昇りましょう。

のぞみ では日ごろ日本を代表するサラリーマン街、神田で働いているので、神田点景なんていかがでしょう。お昼に喫茶店で見たサラリーマンを詠んでみました。

 家よりもくつろぎ顔でルノアール  のぞみ

ショーゼン ああ、「喫茶室ルノアール」ね(笑) 照明を落とした店内、深々としたソファ・・・。営業に疲れたリーマンのオアシス。わかるなあ。こういう読者の「あるある!」を誘うこともテクニックですよ。

 でもね、この句は“おじさん図鑑”だ。つまりあなたが観察した他人を詠んでる。前回もお話ししたように、現代川柳は“自画像”ですから、詠み手の心が見えてくるといいな。

のぞみ アレ? 川柳って他人や社会を面白く詠めばいいんじゃないんですか? 「川柳」をググッたら「諧謔や風刺を目的にする」って書いてありましたよ。

ショーゼン 一般的に、そう考えている人が多いのは事実なんだけど、実はそれだけでもないんだな。もっと奥が深いのだよ。

 川柳にもいろいろあるから、まずはその種類を。

川柳いろいろ ――あなたはどのタイプ? 

ショーゼン 川柳というと、のぞみさんが詠んだ句のように、他人や社会を風刺するものだと思う方が多いでしょ? でも川柳には、大きくわけて3つの種類があるんだ。

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