2024年4月24日(水)

地域が主役の「在宅ケア時代」

2012年5月18日

(4) 見守り、配食、買い物など、多様な生活支援サービスの確保や権利擁護など
一人暮らし、高齢夫婦のみ世帯の増加、認知症の増加を踏まえ、様々な生活支援(見守り、配食などの生活支援や財産管理などの権利擁護サービス)サービスを推進

(5) 高齢期になっても住み続ける事のできるバリアフリーの高齢者住宅の整備(国交省)
高齢者専用賃貸住宅と生活支援拠点の一体的整備、持ち家のバリアフリー化の推進

「医療と介護」はなぜうまく連携できないか

 これまでさかんに「医療と介護は連携すべきだ」ということが言われ続けてきました。

 しかし、理念は共有できても、なかなか上手く連携できない歴史があります。たとえば、病院の医療者へのアプローチは介護関係者にとっては敷居が高く、なかなか情報共有ができない状況が続いていることなどです。

 前述の「継続的なケアの推進」には欠かせない、「退院調整」、つまりスムーズな在宅移行支援なくして、在宅ケアは実現しません。

 在宅ケア推進に向けた移行期にある中、今回の診療報酬改定の目玉だったのは、診療報酬や、介護報酬上の手厚さです。

 たとえば、訪問看護の立場では、これまで、夢物語とされた外泊時の訪問看護の適応、退院後2週間の特別指示書(訪問看護を開始するにあたり、一般の指示書に加えて主治医が記載したもの)での医療保険適応など、これまでより、不安なく在宅ケアへつなげる保険上の誘導策がとられたのです。

「こんな重い症状の人は在宅は無理」は本当か?

 しかし、これをうまく活用しないとせっかくの施策も機能しません。

 包括ケアの中では、在宅療養への速やかな移行と、その調整には病院の中でのシステム作りや、院内での教育も欠かせません。ところが、病院の中の方々が、在宅のことをあまりよく知らないという現状があります。

 たとえば、「こんな症状の重い人は在宅では無理でしょう」と病院内の方々がイメージできないとの現状があります。

 患者である市民の側から、病院の方々に対し、「在宅療養という選択肢もある」ということを、提示することも必要ではないかと思っています。なぜなら、こうした「患者側の力」によって近年、病院のあり方を大きく変えつつあるからです。

がん専門病院から「地域」へつなぐ

 一方、がん治療は化学療法や、放射線治療の進歩により、ますます外来治療に重点がおかれています。再発がんに対しても「がんと共に生きる」という考えのもと、緩和的な化学療法が続けられる時代となっています。その中で、がん専門病院から地域へつなぐ医療連携はますます重要になっているのです。

 ますます増え続けるがん患者に対する医療、高齢化に伴う認知症や、基礎疾患を持った状態でのがん治療はどこまで有効なのでしょうか。

 こうした問いかけに答えるためにも、これからは、「相談窓口」がきちんと機能しなければならない時代となっています。

「地域包括ケア」の導入・実現が不可欠

 地域包括ケアシステムの構築には、それぞれの地域特性を踏まえながら、医療と介護の連携強化がはかられる必要があります。


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