世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年5月23日

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 ウォールストリート・ジャーナル4月29日付社説が、国防の軸足をアジアに移行しようというオバマ政権の政策は、最近の沖縄米軍の再編、台湾へのF-16武器売却などで裏付けされつつあるが、それにしても国防費をこれほど削減しては、米国全体の防衛政策が成り立たないのではないか、と批判しています。

 すなわち、アジア太平洋における米国の同盟国は、沖縄米軍の再編や台湾へのF-16武器売却など、アジアに軸足を移すというオバマの方針を裏打ちするような政策が公表されて、一安心している。

 今後は、オバマ政権が中国の圧力に屈しないことを期待する。また、フィリピンをめぐる情勢は、米軍基地撤廃以降の米国の政策の見直しを迫るものだ。

 しかし、何といっても問題は国防費の削減であり、アジアだけに集中していると、他の地域で軍事的対応の必要が生じた場合、中国の軍備増強を前にしつつ、アジアから戦力を引き揚げてそちらの方に回さねばならなくなる。

 元々、われわれは次の危機は中東でなく中国だ、との見通しには懐疑的だが、オバマが正しいとしても、国防費を減らしながら軸足をアジアに移すというのは、実行可能な戦略とは思えない、と言っています。

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 今回の基地再編は、沖縄の基地負担軽減に役立つと言っている点については、米国の識者としては当然の判断であり期待でしょう。しかし、日本のマスコミ、まして沖縄の地元からは、「これで負担が軽減される、米国の措置に感謝する」という声が全く聞かれないのが現状です。それは、米軍基地反対運動の主流をなしている勢力が、米軍基地そのものに対して反対、端的にいえば日米同盟そのものに対して反対であり、若干の数量的負担の軽減では説得され得ないからです。逆に、声は小さくても存在する基地支持派は、沖縄の経済的利益のためにも米軍の駐留継続を希望しています。

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