中年留学日記

2012年5月28日

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 世界最大の交流サイト「フェイスブック」が先週、米新興市場のナスダックに上場した。フェイスブックの創設者でCEOのマーク・ザッカーバーグ氏がハーバードの学生時代に発案した学生同士の交流ツールが上場までこぎつけ、ビッグビジネスとしての成功につながったということで、ハーバードの関係者も興奮している様子だ。

マーク・ザッカーバーグ氏がハーバード在籍中に生活した学生寮。この場所からフェイスブックが生まれた。

 多くの米国の大学生と同様、ハーバードでもソーシャルネットワーク(SNS)を使うことは常識で、ほとんどの学生が参加していると言ってよいだろう。もっと言えばフェイスブックは大学インフラの一つに組み込まれている。ハーバード大学の公式ホームページも、学生新聞のクリムゾンもフェイスブックと連動している。

 ザッカーバーグ氏は近年のハーバードが生んだ英雄だ。学生寮の片隅で始まった当初はハーバードの学生限定だったSNSが全世界に広がる交流サイトに成長した。ハーバードの学生たちにしてみれば、アップルのスティーブ・ジョブス氏が自宅ガレージで始めたビジネスが大成功し、アップルを世界的な大企業に育て上げたアメリカンドリームと重なるのだろう。

トップ自らが母校で天才を採用する

 ハーバード在籍者のアメリカンドリームの体現者は、かつてビル・ゲイツ氏だったが、近年はザッカーバーグ氏が彗星のごとく現れた。ザッカーバーグ氏の企業家としての成功はハーバードの様々な授業でも言及され、まさに現在アメリカを代表するアイコン(偶像)となっている。彼らはハーバードを中退しているが、強烈なエリート意識に包まれているハーバードの学生もあこがれを隠さない。

 昨年11月にザッカーバーグ氏がフェイスブックの会社説明とリクルート活動を兼ねてハーバードを訪れた。私は直接彼の姿を見なかったが、学生たちが興奮した様子で話題にしている姿を見て、大学内の関心の高さが容易に把握できた。ザッカーバーグ氏が訪問するにあたり、ハーバードは破格の待遇で迎え、ドリュー・ファウスト学長がみずからキャンパスを案内し、熱烈歓迎した。

 時代は変わるもので、ザッカーバーグ氏がフェイスブックの原型となるSNSを立ち上げた当時は、女子学生の容姿を格付けし、ハーバードの女性たちから総スカンを食ったほか、ハーバードのコンピューターシステムを混乱させたとして大学から呼び出されて査問されるなどハーバードの「問題児」だった。それが学長自ら迎える存在にまで成功を収めた姿に、多くの学生は快哉を叫びたい気分になるのだろう。クリムゾンや大学広報紙の「ハーバード・ガゼット」はザッカーバーグ氏の大学訪問を大きく報じ、ホームページでは今もその様子を動画で見ることができる。

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