2024年4月24日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年5月28日

 素直に受け取れば、当初の合意のままならば、陳光誠が中国に滞在したままで身の安全が保障される前例となったのに、そのチャンスを逸してしまったのを悔いている論説ということになりますが、それはこの論説でも言っているように、出国は陳自身の意思ですからやむを得ないことだったと言えます。

 これまでオバマ政権は、いわゆるTyranny of scheduleの下に、予定されている会談の雰囲気に悪影響を与えないため、中国批判を差し控えるという態度をとって来ましたが、考えてみると、それは中国側も同じであり、今回はまさに、開催中である米中戦略対話を傷つけないという配慮の下に中国側が譲歩したわけです。米国にとっては有益な先例となるでしょう。 

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