2024年4月20日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年6月4日

 モファーズは、ネタニヤフは国家指導者として不適格だと非難してきた経緯があり、このニュースは多くの人にとって大きな驚きでした。大連立成立の背景について、国内政治が優先された結果だと社説が言っていますが、その通りでしょう。

 注目されるのは、大連立の成立に伴う外交への影響、特にイラン攻撃問題とパレスチナ和平問題への影響ですが、イランに関しては、P5+1とイラン交渉次第だという指摘もその通りでしょう。

 パレスチナ和平については、カディマ党が和平推進を党是のようにしているため、大連立政権は和平推進の立場を打ち出すと思われます。既に5月13日にネタニヤフは特使をアッバスのもとに派遣し、無条件での和平交渉再開を求める親書を渡しています。この特使はアッバスと90分会談したあと、イスラエルとパレスチナは和平を進める義務があるとの共同発表を行っています。パレスチナ解放機構は、翌14日に、ネタニヤフ書簡には交渉再開のための新しい提案が何もない、として書簡の申し出を拒否していますが、動きが出てきたことは確実です。過度の期待は持たず、事態を注視すべきでしょう。

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