ウェッジ新刊インタビュー

2012年6月18日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

6月18日にスーパーコンピューターをランク付けしたリスト「TOP500」が発表される。日本の誇る次世代スーパーコンピューター「京」は1位を維持できるのかに注目が集まる。スーパーコンピューターと言えば2009年民主党の蓮舫参議院議員が「2位じゃダメなんでしょうか?」と発言したことは記憶に新しい。その事業仕分けにも参加し、東京大学情報基盤センタースーパーコンピューティング研究部門教授を務める金田康正氏が6月20日に『スパコンとは何か 1位か2位か、それが問題か』(小社刊)を上梓する。今回、金田教授の専門である計算科学を取り巻く状況について話をうかがった。

――金田教授は計算科学をご専門にされていますが、計算科学とはどういった学問でしょうか?

金田康正氏(以下金田氏):計算機で数式や理論式に従って計算をさせる場合に、どのようにすれば効率よく早く、またはメモリーを少なく計算させることができるか、またそれ以前にどのようにすれば実際に計算が(効率良く)できるのか、ということを研究するのが計算科学です。

――計算科学に興味を持ったキッカケは?

金田氏:「面白いから」。それにつきます。なぜ面白いのかというのを説明することは難しい。たとえば、虫が好きな人がいる。その人に「なぜ虫が好きなんですか」と聞いてもおそらく説明出来ないでしょう。それと同じです。だから、大学に勤めながらおもいっきり好きなことをして生計を立てているとても幸せな人間です(笑)。

――計算科学は具体的にはどんなものに利用されていますか?

金田氏:たとえば、最近話題の例で言えばスカイツリーの設計です。構造計算や風に対してどれだけ耐えられるかは、数式を立て計算機で計算させる。それをいかに効率よく計算させるかということが計算科学の対象になります。直接的に役立つというよりは、計算機を使い計算やシミュレーションをする際の礎になっているのが計算科学です。

――日本で計算科学で食べていくのは大変、ということですが、アメリカではコンピュータ技術を取り巻く環境に、資金や人材が集まっているとのことで、差を感じます。

金田氏:世界的に計算科学で食べていくことは難しいでしょうね。ただ、アメリカの場合は、コンピュータ技術の周辺にヒトやカネが集まるような仕組みが整っていると思います。というのも、日本やヨーロッパでは肩書きで人を判断しますが、アメリカの場合は肩書きより所得の多さで人を判断する傾向があります。

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