故郷のメディアはいま

2012年6月20日

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小田桐 誠 (おだぎり・まこと)

ジャーナリスト

1953年、青森県生まれ。亜細亜大学法学部卒業。出版社勤務を経てフリーのジャーナリストに。2004年7月から4年間、放送専門誌『GALAC』編集長。現在、法政大学と武蔵大学社会学部兼任講師。BPO(放送倫理・番組向上機構)「放送と青少年に関する委員会」委員、NPO法人放送批評懇談会常務理事・選奨事業委員長。近著に『NHK独り勝ちの功罪』(ベスト新書)がある。

 4月29日の「昭和の日=旧天皇誕生日」、岩手県一関市に一関コミュニティFM(FMあすも)が開局した。

ひとりで制作からアナウンス、営業まで

 首都圏を始めとする大都市圏や県域を放送エリアとするAM・FMラジオとは異なり、コミュニティFM局は市区町村のいわゆる基礎自治体の行政・生活情報を伝えるのが特徴である。経営規模はまさに中小企業で、ひとりの社員が番組制作からアナウンス、場合によっては営業まで担当する。因みにあすもがカバーするのは、一関市内全域と平泉町だ。

 翌30日、市有地(旧ダイエー一関店)内にある同社を訪ねると、読売新聞東京本社メディア戦略局IT事業部長・当間敏雄、一関商工会議所理事長・大浪友子、一関まちづくり株式会社代表取締役・福原賢蔵、奥州FM放送株式会社代表取締役・菊地弘尚などに混ざって宮城県にある登米コミュニティエフエム(H@!FM=はっとエフエム)、けせんぬまさいがいFMの「祝!開局」の花輪が並んでいた。

岩手・宮城を結ぶ架け橋に

 FMあすもは、朝から夕方までほぼ1時間おきに全国及び県内のニュースを伝えているが、その放送に当たっては読売新聞や岩手日々新聞などの配信記事の提供を受ける。商工会議所、まちづくり株式会社は物心両面であすもを支え、奥州FM・H@!・けせんぬまの臨時災害放送局(前2社は既存のコミュニティFM局)は、ハード・ソフト両面でその開局に協力した。あすも代表取締役社長の村上耕一は、こう話している。

 「一関は江戸時代、仙台藩と盛岡藩の交流拠点でした。昭和の頃だって、盛岡よりも賑わっていたこともあったんです。あすもでは(宮城県)気仙沼市の気象情報も詳しく伝えます。電波やスポンサーでは奥州・H@!とかぶっていますが、東日本大震災後のさらなる官民挙げての防災意識の高まりで、紳士協定といいますか棲み分けが可能になりました。(岩手・宮城の)両県を結ぶ架け橋になることも、私たちの大切な役目だと考えています」

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