世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年6月26日

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 米ブルッキングス研究所のウェブサイト6月4日付で、同研究所のBruce Riedelが、米国はパキスタンに対し、米国との和平に応じるようタリバンを説得することを求め、それが実現されなければ、米・印・アフガン協力が行われることを示して、パキスタンの反省を促すべきだ、と論じています。

 すなわち、米=パキスタン関係は破局に向かっている。今やパキスタン人は、致命的な敵はインドでもアルカイダでもなく、米国だと思っている。また、パキスタン当局は、オサマ・ビンラーディンを匿った者ではなく、オサマの居場所をCIAに通報した者を罰しようとしている。

 こうした両国を分裂させている最大の問題はアフガニスタンだ。オバマは、少なくとも2014年の後も対テロ作戦に使う基地へのアクセスを得る長期的戦略合意をアフタニスタンと結んでおり、また、NATOと国連はカブール政府を正統な政府として支持しているが、パキスタンはタリバンを支援している。米国が捕まえた反乱者4000人への尋問から、パキスタン軍情報機関ISIがタリバンの戦略を指導し、タリバン指導者たちと緊密に連絡していることが判明している。

 ただ、皮肉なことに、米=パキスタン関係を修復する道もやはりアフガニスタンにあるかもしれない。つまり、タリバンに影響力を持つISIが、タリバンに対し、米国やカブール政府との政治交渉を再開するように圧力をかければ、道は開け、停戦と分権化された平和なアフガニスタンが実現するかもしれない。

 米国はパキスタンにこうした提案をすることは出来るが、それを実行するかどうかはパキスタン次第だ。パキスタンがこの話に応じなければ、米国はインドにアフガニスタンでより大きな役割を果たすよう要請すればよい。

 パキスタンの軍人たちが、政治交渉に応じようとしないタリバンの頑なな姿勢が「米印アフガン同盟」という悪夢の実現につながるとわかれば、彼らも現在の政策の愚かしさに気づくかもしれない、と言っています。

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 この論説はパキスタンにとって厳しいものですが、米国内でパキスタンへの不満と憤りが大きくなっている中で、パキスタンとの関係修復を願う立場からパキスタンの反省を求めたものと言えます。

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