2024年4月18日(木)

オトナの教養 週末の一冊

2012年7月6日

--本書には国賓晩餐会以外のメニューも掲載されています。

西川氏:私が公式メニューを入手する際には、担当省庁へ電話で問い合わせ、儀典担当者にメニューを使って政治を分析していることを伝え、直接聞きます。メニューを教えてもらえるかどうかは儀典担当者次第ですね。フランスのエリゼ宮や日本の首相官邸に関しては独自の人脈を使って入手しています。

--メニューはどうやって決められるのでしょうか?

西川氏:訪問の種類によります。日本では宮中晩餐会でのメニューは宮内庁が決め、公式訪問で首相官邸にて催されるときには首相官邸が決めます。公式訪問の外国首脳を飯倉公館でもてなすときには外務省が決める。どこが催すかによって違います。

--メニューの飲み物や料理で特に注意されることは?

西川氏:第一に注意するのは好き嫌いとアレルギーです。他には、にんにくを多く使わない、そして生ものは敬遠します。万が一、お腹を壊し外交問題に発展しては大変ですからね。

著者の西川恵氏(撮影:編集部)

--どういった料理が出されるのでしょうか?

西川氏:宮中晩餐会ではフランス料理と決まっています。首相官邸が催すときには、相手国に3通りのメニューを提案します。西洋料理、和食、和洋折衷です。それらのうちからどれが良いか相手国に尋ねます。たとえば、イギリスのキャメロン首相は日本食が好きなので、メインも握り寿司でした。しかし、大抵の場合、和洋折衷です。

--服装はタキシードが多いのでしょうか?

西川氏:夜に行われる宮中晩餐会ではタキシードなどのそれなりに着飾った服装です。首相官邸で行われるときはスーツです。

--日本ではクールビズがあります。

西川氏:基本的には首相も閣僚もネクタイをします。しかし、相手国の首相と日本の首相が親しいときには、お互いの合意のもとノーネクタイで行われることもあります。


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