田部康喜のTV読本

2012年8月1日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 「愚か者!」――都立国文館高校の生物教師である高倉夕子(榮倉奈々)の鋭い声が響きわたる。その直前の一瞬、ドラマの敵役である男優の顔に長い足が繰り出し、回し蹴りが決まって、敵は倒れる。

 学園の問題をともに解決する、古典教師の内田すみれ(市川実日子)と美術教師の藤井彩(小林聡美)が横に並んでそろう。

 「課外授業はこれで終了です」と、夕子は告げる。

 TBSの金曜ドラマ「黒の女教師」のエンディングである。

依頼者からカネを取って「課外授業」

 2012年7月20日放映の第1話と27日の第2話を観た。

 夕子とすみれ、彩の3人の女教師は、学園内の被害者となった教師や生徒から、カネを取って、被害者に代わって加害者ともいうべき敵を社会的に葬る。

 リーダー役の夕子がその復讐劇のシナリオを書き、彩は学園内の情報を探る役、すみれはネットを利用して加害者を追い詰める。

 復讐の対価を求めるのは、時間外の課外授業であるという理由からである。深夜の学園の美術室で3人は、依頼人となる被害者を待つ。トランプのババ抜きをしながら。

 画面は驟雨に打たれる学園の正門を映し出し、そしてずぶ濡れになった依頼人が部屋のドアを開けて、カネをつきだす。

現実離れした主人公が現代の問題を解決

 第1話は、脱法ハーブが、テーマになっている。法律上は違法ではないが、使い方によっては心身ともに異常をきたす。新人の女教師である青柳遥(木村文乃)が担任をしている、クラスの女子生徒が、脱法ハーブを売る店のオーナーにだまされて、校内で買い手を増やす手先となる。このオーナーは大学生で、司法試験をすでに合格して法律事務所に入ることが決まっている。

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