2024年4月20日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年8月20日

 タンのこのような意見がASEAN諸国でどれくらい共有されているのか、正確には分かりません。しかし、米軍のプレゼンス強化を否定的に見る見方や、ASEANのモットーであったいわゆるZone of Peace, Freedom and Neutrality(平和・自由・中立地域)を今こそ再活性化すべしとの意見が強いとしても不思議ではありません。ASEANには中立志向が根強くあるからです。

 ASEANは、米との安保協力を重視する諸国と、対中国で刺激的に振る舞うのはよくないと考える諸国に分かれてきています。ASEAN外相会議が南シナ海問題で共同声明の発出に手間取ったのはその一つの表れです。

 前者のグループの国が主導権を持ち、かつASEANの団結が維持されるのが日本にとっては最善ですが、そうはいかない可能性も踏まえ、対ASEAN政策を展開する必要があります。

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