世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年8月21日

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 米New Statesmanウェブ7月18日付で、Hillary Clinton米国務長官は、国際情勢は劇的に変化しているが、アメリカの指導力なしには、世界の安全と繁栄は維持できない、それは、米国が、正義、公平、自由と民主主義にコミットしているからである、と述べています。

 すなわち、世界のバランス・オブ・パワーは変化しつつある。しかし、2012年は、英独の対立が激化した1912年とは違う。2012年には、強いアメリカが世界の平和と繁栄のために、新興国や同盟国と協力している。

 国際情勢に対するゼロサム・アプローチは、マイナス・サムとなる恐れがあり、国際協力が必要である、変化する世界情勢で、変わらないものが二つある。一つは、開かれた、そして、安定した国際秩序が必要なことであり、もう一つは、それを保証するアメリカの経済的、軍事的指導力が必要だということである。

 それを実施するためには、守るべき規範がある。それは、基本的人権であり、透明かつ公正な経済制度であり、紛争の平和的解決であり、他国の主権の尊重である。

 国務長官としての経験から、人権を擁護することと国家の安全保障との間には、相関関係がある。米国と親しい同盟国は、そうした普遍的な価値観を共有している。

 それを推進するためには、中国やインドとの間の戦略対話、そして、米国が正式に加入した東アジア・サミットは有効である。それは、また、南シナ海の安定と安全のためにも有益である。

 アメリカの指導力は、現在でも、尊敬され、必要とされている。もちろん、それは、米国の軍事的及び物質的な力によるものであるが、同時に、アメリカが正義、公平、自由と民主主義にコミットしているからである、と論じています。

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 この論文は、ヒラリー・クリントン国務長官の国際政治観、もっと穿って言えば、対中政策の基本を明らかにしたものと言えます。

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