経済の常識 VS 政策の非常識

2012年10月10日

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 なぜ円高、ウォン安になったのかと言えば、日本の金融政策が一貫して引締め、デフレ的であったのに対して、韓国の金融政策がデフレ政策を取らなかったからである。

 金融政策を緩和しすぎると思わぬ副作用があるなどと言っている人がいまだに多いが(どんな副作用か具体的に説明したためしはない)、緩和しないことの副作用の方がずっと大きいのだ。

韓国は生活水準が日本を抜く?

(出所)IMF,World Economic Outlook Database
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 ウォン安で一部の輸出大企業は繁栄しているが、普通の韓国人の暮らしは苦しくなっているという人もいるが事実ではない。図2は、日本と韓国の、為替レートと購買力レートでの一人当たりGDPの推移をみたものである。購買力平価とはその国の物価水準を考慮して、真の生活水準を表すように調整したレートである(この購買力平価はアメリカの物価水準を基準とした名目値である)。為替レートでの一人当たりGDPを日本と韓国で比べると、現在、韓国はまだ日本の50.4%に過ぎないが、購買力平価でみると韓国は日本の92.0%にまで近づいている。韓国の生活水準が日本を追い抜くのは時間の問題である。

 韓国で、豊さが普通の人々に広がったからこそ、面白いTVドラマを作り、エンターティメントのスターを輩出できるようになったのである。

 一方、日本はどうか。シャープの2012年3月末期に計上した3761億円という巨額の赤字が話題になっているが、円高がなければこれほど巨額の赤字になっていたとは考えられない。

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