経済の常識 VS 政策の非常識

2012年10月10日

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 シャープの売上高は国内1兆1812億円、海外1兆2747億円、合わせて2兆4559億円である(これらの数字はシャープ・ホームページのアニュアルレポート財務ハイライトにある)。赤字が3761億円ということだから、売上原価は2兆4559億円に3761億円を足した2兆8320億円である。シャープの海外売上高1兆2747億円はドル建てでは157.36億ドルで1ドル81円の計算である。円高がなければ、すなわち、1ドル120円のままであれば、海外売上高は1兆8883億円である。する国内と海外の合計売上高は3兆695億円である。原価が2兆8320億円なら、シャープは2375億円の利益を計上できていた。もちろん、円安で購入コストが増えるものもあるから、これほどうまくはいかないだろうが、巨額の赤字が大きく減ることは間違いない。

 企業が危機に陥れば、リストラをせざるを得ない。リストラされた人々も生きていかなければならないから、持っている技術を評価してくれる企業があれば、そこで働くことになる。技術が流出し、日本の長期的な成長力が低下するのは当然である。円高で、日本人は貧しくなった。デフレ的金融政策の副作用は、日本の国際的地位を低下させたことである。

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