2024年4月25日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年10月24日

 それは、領海侵犯などの既成事実の積み重ねで、領有権を主張する中国の行動を抑え、今後日中間の感情的な紛争の原因を除くことになります。ただ、その前には、日本の領有権の根拠をもう一度世界に示し、尖閣における施設の建設、要員の常駐、領海侵犯の実力排除など、日本の行動に何の制約もないことを実行で示すことが必要です。少しでも「中国に配慮する」態度を取ることは、日本が、法的な正当性に弱みを持っているかのごとき印象を与えるので、良くありません。

 もう一つは、反日デモ対策です。薄煕来事件以来、中国国民の信が揺らいでいる中国政府としては、反日デモが何時反政府デモに変わるか分からないので、デモ隊の数が、それを取り巻く警官の数を上回らないようにしています。

 排外デモで民族意識を満足させるというのは、義和団事件以来、ベオグラードの中国大使館誤爆の際に至るまで、欲求不満発散の有力な手段なので、ある程度までは、やむを得ないのでしょう。

 ただ、今回の反日デモ、暴動は、政府が故意に、ある程度野放しにしましたので、それに伴う損害賠償は当然に要求して良いと思います。

「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。


新着記事

»もっと見る