人事部必見! 御社の研修ここが足りない

2012年10月23日

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工場の壁に貼り出されている基本知識

 印刷の一般的な技術は、この段階まででマスターできるよう会社として支援していく。前述したように中堅印刷会社にとっては、技術研修をする方法も余裕もない。自己学習が基本だが、工場内の壁や至る所に頭に叩き込まなければいけない基本技術が張り出されている。一定の経験を経た社員には会社から国家資格である印刷技能検定の受験を進め、サポートする。現在、1級資格を持つ社員は7人。他の社員も取得を目指して勉強中だ。

日本でここにしかないA倍7色機

 ポスター印刷が誇れる財産は人。その次にあるのが日本で唯一ここにしかないA倍7色機だ。A倍とは用紙のサイズのことで、A列と呼ばれる紙の最大のもの。これを2つに折るとA1、さらに折るとA2、A3、A4サイズになる。つまり日ごろから馴染みのあるA4サイズの紙が16枚分になる。このサイズの用紙を、7台の機械を一気に通して印刷できる機械だ。つまり、1台1色ずつを7回通して多彩な色を表現する印刷ができる。この1色ごとの色をどのように調合するかが決め手になる。

日本に1台しかないA倍7色機

 「この機械を動かせるようになるには標準的な技術が必要ですが、私たちが作るのは標準からはみ出した印刷です。他社が同じ印刷機を導入しても、同じ印刷はできない自信があります」と小松常務。その裏付けが、刷り上がったポスターの質の高さに出ている。

 今後も印刷業界は、厳しい競争が続くことは間違いない。その競争に勝ち残る戦略は、顧客から認められ続けることだ。立ち合いに来たデザイナーを唸らせる出来栄え、エンドユーザーから指名される喜びをモチベーションにして、際限のない色との格闘を続けることだという。それを持続させる原動力は、社員の成長しかない。

 研修プログラムを作成し、年次ごと階層ごとに体系化した中で社員を教育していく方が、「費用はかかりますが、楽なのではないでしょうか」と高橋会長。毎日の作業を通して教育していく方法は、結果が短期間でみえない。長期的視点で粘り強く続ける地道なOJTに研修の基本がみえる。

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