2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2012年11月26日

今年7月、台風7号から避難するため五島列島・福江島の玉之浦港に押し寄せた中国漁船。106隻も集まり地元は騒然となった
(提供:五島市)

 この付近の海域でどれだけ多くの中国漁船が操業しているかを、まざまざと地元の住民に印象づけたのは、今年7月のことだ。台風7号により大荒れとなった海から避難するために、鳥島から程近い五島列島のひとつ福江島の玉之浦港に106隻もの中国漁船が避難したのだ(写真参照)。「中国漁船はどれも日本の漁船の10倍もの大きさがあり、これだけの数の漁船が一度に押し寄せてきたことに恐怖感すらおぼえた」(地元住民の一人)。

 こうした状況に危機感を強めた地元では、今年3月に商工会が中心となって「五島市鳥島等の保全・整備を求める期成会」を立ち上げた。これまでに、監視の強化や携帯電話基地局の整備、波の浸食から守るための保全・整備の推進、国境離島における漁船の燃料代支援などを求める要望書を国などに提出。期成会の立石光徳会長は、「尖閣諸島や竹島のように、ある日突然、中国や韓国が領有権を主張するということが、鳥島で起こらない保証はない」と危機感を示す。

 今年7月には地元の五島市が肥前鳥島などを視察するツアーを実施したところ、国会議員から一般市民まで50人あまりが参加した。担当した市の久保実企画課長は、「実態の確認と離島の役割について知ってもらいたいとの考えからツアーを企画した」と説明する。

[特集] 尖閣諸島問題

◆WEDGE2012年12月号より

 

 

 

 

 

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