解体 ロシア外交

2012年12月11日

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 「水圧破砕法」が環境に及ぼす悪影響が世界で問題視されているからだ。地下水の汚染などが問題にされると共に、地盤への影響も大きいことから大地震を誘引しうる危険性が問われている。そのため、フランスでは「水圧破砕法」を禁止し、他の多くの国が一時停止措置などをとっている。

 ロシアとしては、欧州諸国が皆、環境問題の立場から、シェールガス開発を禁止することを望んでいるのだろう。そのため、最近はプーチン氏も環境擁護に熱心らしい。

ロシアもシェールガス開発に乗り出す

 このように、ロシアが危惧したシェール革命が欧州に広がらない現実はロシアにとっては喜ばしいことだ。だが、その一方で、ロシア自身もシェールガス開発に乗り出したという。

 実はロシアも非在来型エネルギーの保有国であり、長年シェールガスやシェールオイル開発を密かに試みてきた。たとえば、失敗に終わったが、ソ連石油省はシェール地層の核爆発実験を何度も行っていた。

 それでも、ロシアは、もっと安価に採掘できる石油・天然ガスを持っていたため、非在来型エネルギーの開発は棚上げにしていたが、最近、再び積極的になっているという。

 まず、今年の6月24日には、英国とロシアの合弁会社TNK-BPが、ウクライナでのシェールガスなどの天然ガス開発プロジェクトに向こう6~7年間に18億ドルの投資を行う方針を明らかにした。

 また、最近、ロンドンとシベリアにオフィスを持つルスペトロ(Ruspetro)社の最高財務責任者(CFO)、トム・リード氏はシベリアでの非在来型エネルギー開発を本格化すると発言した。

 これまで、ロシアは独自の手法で非在来型エネルギーを開発するとして、米国と技術競争を繰り広げてきたが、今後は、米国の採掘技術を導入するというのだ。米国の技術の踏襲は、大国としての威厳の喪失につながる一方、合理的、経済的には確実な選択である。ただ、ロシアの場合は、シェールガスよりむしろ、シェールオイルの採掘が主たる事業となる。

 実際、米国のエクソンモービルがロシアのロスネフチとの間で、シベリアのシェールオイル田で試掘井を掘削する共同事業契約を締結している。さらに12月6日、ロスネフチとエクソンモービルの両社長は西シベリアでのタイトオイル開発(地質学調査、最新の破砕技術を用いた水平・垂直井の掘削を含む広範な分野にわたる開発)のためのパイロット協定を締結した。これは、2011年8月に締結していた長期的戦略的協力協定の実施に向けた新たな一歩である。

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