社食に企業の想いあり

チョコボのラテアートも人気 スクエニの「ワクワク」する社食からアイディアやコミュニケーションが生まれる

小川たまか (おがわ・たまか)  プレスラボ取締役

1980年東京生まれ。編集プロダクション・プレスラボ取締役。ニュースサイト「下北沢経済新聞」編集長。経済誌やニュースサイトで企業取材、教育問題などを取材する一方、江戸文学も好き。Yahoo!個人でも執筆。Twitter:@ogawatam

社食に企業の想いあり

安くて気軽に利用できる、会社員の味方「社員食堂」。からだに優しい食材にこだわったり、自社製品を使用したメニューを提供したり、社食にはそれぞれの企業の工夫が凝らされている。その工夫は、自社の社員や社会全体に向けられたメッセージではないだろうか。社食を通じて表現したい企業の「想い」を紹介する。

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社員を楽しませる工夫が盛りだくさん
厨房スタッフはコスプレまで

厨房のスタッフたちは長命加那子さん(右)を中心に様々な企画を提案し、社員を楽しませる工夫を惜しまない

 社員食堂のランチメニューは基本的にデリスタイルだ。厨房のスタッフに告げ、ショーケースに並んだおかずを取り分けてもらう。スタッフのユニフォームは白シャツにモスグリーンのキャスケット風の帽子と同色のエプロン。彼女たちもまるでカフェの店員のようにかわいらしい。

 支配人を務めるのはエームサービス株式会社の長命加那子さん。26歳という若さながら、スクウェア・エニックス・グループの社員食堂を任された。弓削さんらは「ひとつのキーワードを言うだけで、いろんな企画を提案してくれる。彼女に任せておけば何も問題ない」と絶大な信頼を置いている。

 スクエニが長命さんら社員食堂のスタッフに求めたのは、野菜をふんだんに使うなど健康的なメニューであることはもちろん、「スクエニならではのエンタメ性」だった。独創性のあるコンテンツは、毎日の生活に「ワクワク」していてこそ生み出せる。おいしくて体に良いだけではなく、思わず社外からの客を誘いたくなるような、楽しい社員食堂が求められていた。

人気キャラクターが描かれたラテアート

 長命さんらの工夫は随所に伺える。たとえば、カフェラテ(Sサイズ150円など)には、ラテアートを施すことがある。描かれているのは同社が手掛けるゲームに登場する人気キャラクター、チョコボやドラキー、スペースインベーダーだ。

 厨房前の飾り付けも長命さんらスタッフが行ったもの。取材時にはクリスマスツリーが飾られていたが、10月にはハロウィーン仕様だったという。最も社員から好評だったのは、ハロウィーン当日に厨房スタッフらが行った“コスプレ”だ。

 「食堂を利用していただくお客様は1日で1,100~1,200人ぐらいですが、その日は300~400人増えました。厨房スタッフが“コスプレ”していることが口コミで広がったみたいです」と長命さん。こういった趣向は、全て厨房スタッフが自発的に企画し、行っている。弓削さんが「社員はクリスマスも今から楽しみにしていますよ」と言うと、長命さんはにっこり。社員にとって、社員食堂は“エンタメ”であると同時に“癒し”であるとも言えそうだ。

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「社食に企業の想いあり」

著者

小川たまか(おがわ・たまか)

プレスラボ取締役

1980年東京生まれ。編集プロダクション・プレスラボ取締役。ニュースサイト「下北沢経済新聞」編集長。経済誌やニュースサイトで企業取材、教育問題などを取材する一方、江戸文学も好き。Yahoo!個人でも執筆。Twitter:@ogawatam

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