Inside Russia

2012年12月22日

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 大統領は笑みを浮かべながら「私の名前は必要ない。(文豪の)トルストイやプーシキンの名前をつけるのが良いだろう」と回答すると、会場から拍手が沸き上がる。なおも続け、北方領土問題解決に意欲を示した安倍晋三新総理について、「たいへん重要なシグナルで高く評価する。建設的な対話を続ける」と述べ、一方、露政府の支出でインフラ整備などが行われているクリール諸島開発プログラムについては「引き続き必要な注意を払う」と短めに答えるにとどめた。

 先のマグニツキー法案での米国へ示した露骨な嫌悪感に比べると、対日関係については批判を割け、領土問題にも配慮していることがわかる。南クリールへの政府の積極的な関与表明を期待していたサハリン州の記者は、肩すかしを食らわされた形となった。

 今後、ロシアの経済成長への生命線となるシベリア極東開発には日本からの投資や技術移転が欠かせない。安倍新総理と良好な関係を築きたいプーチン大統領の心のうちが垣間見え、近年の日本の政治情勢を熟慮した上で長期政権を期待する発言でもあったとも言えよう。

グルジアワインは美味しい

 対外関係では他にもテーマにあがった。グルジア問題については、新政権への歓迎の意向を示し、「グルジア産のワインは美味しい」とリップサービス。これは2008年のグルジア紛争以来、ロシア市場への輸入が禁止された制裁措置の解除の意向を示したとみられる。

 一方、中国の新華社通信の記者には「露中関係は最高の状態にある。今後は投資分野での関係発展も望む」と簡潔明瞭にメッセージを送る。シリア情勢を危惧するAP通信の記者には「聞いてください。私の親愛なる人よ」と呼びかけ、アサド政権を擁護するロシアの立場を諭すように話した。

 もちろん、プライベートな面も話題にあがった。健康不安説について、「健康問題についての私のコメントは伝統的なものだからね。噂は、政権の正当性や健全性を疑う政治ライバルに利するだけだ」と一蹴。独立テレビ記者の「娘さんたちは元気ですか?おじいちゃんになったのですか」との問いかけには、「そんなことを知る必要あるの?」と言いながらも「子供たちはモスクワに暮らし、万事順調で過ごしている。勉強を続け、時々、働き、プライベート面も充実している。私は子供たちを誇りに思っているよ」と答えた。

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