経済の常識 VS 政策の非常識

2013年1月28日

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 復興予算が東日本大震災の復興とは関係のないことに使われていることが問題になっている。反捕鯨団体に対する監視船の借り上げ、被災地と関係のない企業への立地補助金、埼玉県の刑務所の職業訓練、全国の官庁舎の耐震対策などが批判されている。

復興予算にあるのは
役人と自民党の知恵

 なぜ予算をつけるときに分からなかったのだろうか。本来、予算とは個別の事業にお金をつけることだ。復興予算19兆円と言って19兆円配れば復興ができる訳ではない。予算とは個別である。そのことを国民に知らしめたのは民主党の事業仕分けではなかったか。

 仕分けとは予算の目的を議論するものではない。女性の自立を支援する、科学技術の振興を図る、弱者を助ける、基礎教育を拡充するなどの目的はみな良いことである。

 しかし、その目的が、具体的な個々の事業において、無駄なく、効果的に行われているかは別問題である。蓮舫元行政刷新相が、国立女性教育会館理事長の発言を遮るところばかりがテレビで移されたが、女性教育会館の目的に反対していた訳ではない。この会館がなぜ、プールやテニスコートや日本庭園まで持っているのか議論するのが仕分けである。

 仕分けは事業の目的ではなく、それが目的に照らして効果的であるかどうかを議論するものだ。

 しかし、仕分けによっても民主党が目的としていた16.9兆円のマニフェスト予算はとうてい捻出できないと分かった。世論も徐々に関心を失い、マスコミや識者も、民主党は素人っぽいやり方を止めて官僚の知恵を結集して事に当たれ、自民党政治時代の知恵を学べなどと議論するようになった。

 そのような状況で起きたのが東日本大震災である。民主党も疲れて、自分で考えるより、役人を使おうかと考えるようになっていた。だから、今回の復興予算には役人や自民党の知恵が詰め込まれているのである。

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