2024年4月20日(土)

安保激変

2012年12月28日

 日本が実効支配する海域に中国が毎日のように政府公船を送り込んでいることは、決して平和的な手段とは認められない。つまり、中国は実力による現状変更を行っているのだ。安倍政権はこのようなやり方は断じて認められないと国際社会に広く訴えかけ、中国に圧力をかけるべきである。

尖閣の領有権
中国側の説明責任を主張せよ

 最後に、尖閣の領有権に関しては、中国側に説明責任があることをはっきりと示すべきだ。

 中国は日本に尖閣をめぐる紛争の存在を認めるように迫っているが、紛争の存在を認めることは中国の主張にも一部理があると認めることになる。だが、日本が尖閣諸島を領土に編集した1895年から1971年まで、中国は一切領有権を主張しなかったし、日本の領土と認めていた証拠も存在する。中国の主張は言い掛かりに過ぎないのだ。安倍政権は中国に対してこの76年間の沈黙を論理的に説明することを要求しなければならない。他方、中国が国際司法裁判所の強制管轄権を受け入れた上でこの問題の解決を望むなら、日本は堂々と受けて立つ用意があることも明言すべきだ。

 安倍首相が目指す日中戦略的互恵関係の構築には、尖閣に関しては一歩も譲らないことを行動で示すことがまず必要だ。そうしてはじめて、安倍首相はニクソン大統領になることができるだろう。

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