2024年4月20日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年1月31日

 いったい北朝鮮はどこへいくのだろうか。政府は統制を強化しようとしても民意は逆の方向に動いている。政権の行き詰まりか、核危機の可能性もある。改革開放をすれば、過剰な期待が膨らんで統制不可能となる。オバマ政権のアジア回帰は、北朝鮮の危機に忙殺される可能性もある、と論じています。

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 さすがに、チャは北朝鮮情勢をよくフォローしており、参考になります。改革開放などすれば自壊するような状況にあることは、本当なのでしょう。それを締め付けるためには、「新主体主義」のようなアイディアを導入するしかないというのも優れた分析です。

 また、米国も韓国も、北の挑発に対してアメとムチ(実際はアメ)で対応するという政策はもう取らないであろうという見通しも、現在の米国および韓国内の雰囲気から言って、正しいのではないかと思われます。

 とすると、次に北朝鮮から挑発行為があった場合、それはただちにエスカレートする可能性もあるという指摘にも留意する必要があるでしょう。

 全体として、すべてが行き詰っているという指摘は正しいのでしょうが、金正日の場合は、行き詰まりのまま、長期政権を全うして畳の上で死に、継承を完成させ、国葬を受けているのもまた事実です。金正恩体制がすぐにでも崩壊するかのような希望的観測は戒めるべきであり、「オバマ政権のアジア回帰は、北朝鮮の危機に忙殺される可能性もある」とするチャの警告に従って、怠りなく備えを固めるべきでしょう。

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