世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年2月21日

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 FTワシントン支局長のエドワード・ルースが、1月22日付の同紙解説記事で、リベラルな課題を列挙したオバマ二期目の就任演説は、政治的対立の終わりを求めるものではなく、逆に対立を明らかにし、共に自らの政策実施を図るという共和党への挑戦でもあった、と分析しています。

 すなわち、第二期目の就任演説は、「アメリカの未来を信じて」というテーマに合わせた高尚な引用が多用されたが、その核心は、4年前の演説よりはるかに直ちに影響があるものである。2009年の演説では、「ささいな非難の応酬」を繰り返す政治の終焉を唱えたが、今回を逆にそれを求めるものであった。格調の高さの中に真にリベラルな課題が多く含まれていた。

 「1776年、愛国者たちは特権を得た少数や暴徒が、王の暴政にとってかわるために戦ったのではない」という一節が、党派間の対立が、自らのよりリベラルな目標達成を妨げることを許さない、というメッセージを伝えている。「共和党」という言葉こそ発せられなかったが、最もとげのある部分は、党派間の対立に向けられていた。

 32年前、レーガン大統領は「大きな政府の時代は終わった」と述べたが、オバマ氏の演説は、少なくともオバマ政権下では「中型政府」は前向きに検討されることを明らかにしている。

 今後の財政をめぐる駆け引きでは、メディケアや年金、そして若者世代を守ることを明らかにし、財政に関しては弱者を守るための強力な政府の必要性を唱えている。財政以外でも、環境保護を先延ばしするのではなく、真っ向から取り組むことを明らかにしている。

 ナイーブな人々は、シューマー就任式典委員長の「アメリカが負けることに賭ける人たちは、いつも歴史の間違った側にいる」といった言葉が耳に入ったであろう。しかし、共和党は、より厳しいメッセージを受け止めている。オバマ氏の演説解釈の最も優れたものは、政治科学者イアン・ブレマーによる「ともに私の掲げる目標を追求する」という要約である、と述べています。

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 就任式前から、演説は、協調を求めるのではなく、共和党への戦いを挑むものになるのではないかという憶測がありましたが、ルースの分析は、まさにその通りになったことを示しています。

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