2024年4月20日(土)

ヒットメーカーの舞台裏

2013年3月20日

 入社後、量販店向けの営業に従事した川口は、「いつかは後世に残る商品開発に携わるんだ」と、各種の製品を売り込みながら販売現場の経験を血肉としていった。看板商品である「ギョーザ」のリニューアル開発は「大変光栄なこと」と緊張もしたが、まったく新しい焼き方の提案という大転換を、研究開発部門とともに実現することができた。

 もっとも、商品開発にゴールはなく、川口は引き続き「ギョーザ」の更なる改良を担当している。成熟商品に見えても「お客様が気付いていないボタンを押せば、販売は伸ばせるということも学べた」という川口。1日100個以上を試食する日が、「また増えそうです」と笑う。(敬称略)

■メイキング オブ ヒットメーカー川口篤(かわぐち・あつし)さん
味の素冷凍食品 商品開発グループ

1980年生まれ
三重県尾鷲市で生まれ育つ。地元の少年団に所属していた兄の影響を受けて、小学校の頃からサッカーに熱中してきた。サッカーには中学・高校・大学・社会人と一貫して取り組むことになる。現在も、大学のOBとチームを結成し、東京都社会人リーグに参加している。ポジションはフォワード。
1999年(18歳)
信州大学経済学部に入学。体育会のサッカー部に所属した。大学時代は、サッカー一辺倒という訳ではなく、付近の雪山にも度々遊びに出かけた。「食」への関心が強く、就職活動は食品業界を中心に行った。
2003年(23歳)
味の素冷凍食品に入社。大阪の家庭用事業部西日本営業部に配属された。職場の上司からは「1カ月で1000店舗回って来い」と発破をかけられたのが記憶に残っている。主な業務は量販店のバイヤーとの商談や、販促の提案だった。商談をスムーズに進めるために、何度も店に通い、店舗ごとの特性に沿った提案を行うなど、関係を地道に構築していった。
2008年(28歳)
念願だった家庭用商品開発グループに異動。炒飯・ピラフ等の米飯類、中華丼の具やお弁当向け商品の開発を担当した。

(写真:井上智幸)

[特集] ヒットメーカーたちの物語

◆WEDGE2013年3月号より

 

 

 

 

 

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