2024年4月20日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年2月28日

 もし米国が、同盟国との間にもう少し距離を置けば、彼らはもっと自前の防衛努力をするであろうし、お互いに協力し合うようになるであろう、と論じています。

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 ケイトー研究所は、もともと、孤立主義を明確に標榜している研究所で、海外への関与を否定しているので、全体の論旨もそれに合わせたものになっています。全体としては、日本に好意的であり、また、安倍政権の政策を支持していると言える論説です。

 クリントン、パネッタなどのアジア回帰の説明が支離滅裂であるというのは、言わずもがなの言いがかりです。アーミテージがいみじくも指摘しているように、それが中国封じ込め政策であることは誰もが知っています。ただ、それを表向きはっきり言わないだけであり、読む人はその行間を読むべきでしょう。

 安倍内閣の防衛力強化路線には勿論賛成の姿勢です。ただ、それを日米同盟強化に有益と捉えず、ケイトー研究所の孤立主義の理念に従って、アメリカが手を引くのに好都合という論理で捉えています。いずれにしても、それがアメリカにとって良いことだと論じている点では同じです。

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