経済の常識 VS 政策の非常識

2013年3月6日

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政府がすべき仕事は社会の安定

 そもそも会社の目的は利益を上げることで、それに社会の安定や福祉の役割を求めるのは筋が違う。社会の安定や福祉は政府の役割である。会社に社会の安定の役割を求めるのは、しばしば高コストである。

 政府が会社に求めることは、発展して雇用を生み出させることである。そのためにも、アベノミクスの第3の矢の成長戦略は、特定産業への補助ではなくて、企業が投資や雇用を増やしたくなるような環境整備であるべきだ。そのための構造改革や規制緩和の論点は、これまでの各種有識者会議で十分に示されている。あとは実行するのみだ。

 TPP(環太平洋経済連携協定)への参加や、国際的に見て遜色のない法人税減税などを通じた、国際競争におけるイコールフッティング(事業環境の同一化)も重要である。さらに、本欄で繰り返し述べてきたように、社会保障改革も大切なテーマである。これまでの社会保障は企業におんぶに抱っこになりすぎていたのである。

 親が育てない子供も、子供が面倒を見ない高齢者も、働きたいのに職がない人々も、働くことができない人々も、誰かが面倒を見なければならない。そういう人々が充満している世の中は、右から左まで誰も望まない。企業はそんな世話をする義理もないのだから、政府がするしかない。企業に注文を付けても、そんなことはやってくれないのだ。

[特集] どうすれば良くなる?日本の政治

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