世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年3月26日

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 ホノルル・アジア太平洋安全保障研究所准教授兼CSIS客員研究員のジェフリー・ホーナン(Jeffrey W. Hornung)が、ナショナル・インタレスト誌に、「尖閣の状況を安定化する方法」と題する論説を2月11日付で寄稿し、日中間で海上事故防止協定を結ぶことを提案しています。

 すなわち、東シナ海情勢は深刻化している。日本側は、1月に中国海軍艦艇が日本のヘリと海自艦艇に火器管制レーダーを照射したと発表した。中国のこの新しいエスカレーションは、日本に反応させるように仕向ける多くの措置の一つである。

 日中は話し合うべきだが、主権問題は議題の最後にすべきである。その代わりに東京と北京は、沿岸警備隊、海軍、他の艦艇、航空機の相互行動を規制する規則を必要としている。

 日本による尖閣国有化以来、反日デモが起こったほか、中国は毎日のように島周辺に船舶や航空機を送り込んでいる。中国の行動は大胆になり、日本が反応せざるを得なくしている。

 最初、中国は日本の海上保安庁に見合う海洋監視局、漁業局の監視船を送っていたが、12月には日本の領空に監視のための航空機を送り込み、日本がスクランブルせざるを得ないようにした。中国側はこれに対しスクランブルをかけた。日本は警告射撃を許可することを検討すると言い、中国は火器管制レーダー照射をした。

 このエスカレーションは、間違いが起こりかねず、心配である。2001年の海南島EP-3事件を思い出す。この時は、中国のジェット戦闘機が米海軍の電子偵察機EP-3と衝突し、中国のパイロットが死亡、EP-3の乗組員は海南島に着陸させられ、拘束された。中国による国際法の解釈では、排他的経済水域での航行、航空の自由を認めていない。

 日中間で同じような事件が起これば、歴史もあり、海南島EP-3事件のようには、早く解決できないだろう。

 安倍・習会談は良い効果があろうが、短期的な手当てに終わる。中国が島周辺のプレゼンスを引き下げない限り、長期的手当てが必要である。主権問題の解決を除けば、双方が海上事故協定を結び、艦艇や航空機の事故が起きないように手当し、起きた時にはエスカレーションしないようにする必要がある。

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