TPPとシェールガス
安倍総理訪米後の米国の外交課題


世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。

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  2月25日付米New York Times紙で、Ian Bremmerユーラシア・グループ代表とDavid Gordonユーラシア・グループ研究部長は、2月22日の安倍総理の訪米を受け、第二期オバマ政権の外交政策として、TPPとシェール・ガス輸出は重要な課題となる、と述べています。

 すなわち、2月22日の日米首脳会談の際、安倍総理は、二つの重要課題を取り上げた。それは、TPPとシェール・ガスの輸出である。これらは、第2期オバマ政権の外交課題として優先的に扱うべきものと考える。

 TPPが重要な理由は2つある。1つは、貿易が米国の経済成長にとって重要不可欠なものだからだ。交渉参加国には、既に、米国、カナダ、メキシコ、チリ、ペルー、豪州、ニュージーランド、ベトナム、シンガポール、マレイシア及びブルネイが含まれるが、これに日本が加われば、世界の貿易の40%、全世界のGDPの40%を占め、これは、戦略地政学上の変化を生むだろう。

 2つ目は、中国の国家主導資本主義への対抗措置としてTPPが有意義だからである。中国は、国有企業や国営銀行等を使って市場経済に参入し、米国や諸外国の企業が市場で競争することを妨げた。この国家資本主義中国の台頭は、米国及び米国経済にとって大きな挑戦となった。

 TPPは、中国の封じ込めや中国経済の成長を阻むようなものではない。逆に、それは、自由経済の将来に対する投資である。中国の近隣諸国も自由貿易の利益を享受し、米国との政治安全保障上の関係を深めて行くことができる。そして、中国がアジア地域や世界で経済上も安全保障上も影響力を高めて行く中で、米国がアジアを安定化させる勢力として居続けることを示すものである。

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