2024年4月20日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年4月9日

 北朝鮮については、中国の役割が大きい。米国は、韓国が望む中国との戦略対話を支援すべきである。米国との事前の調整の上で、韓国が中国に対し北朝鮮との関係の見直しを求め、米韓同盟が中国の脅威にならないことを納得させることができれば、中国は、韓国主導の朝鮮半島統一が、米中韓いずれの国にとっても利益となると考え始めるかもしれない。

 中国経済の成功に伴う国防費増大、領土問題への強硬姿勢、北朝鮮支援の継続は、韓国にとって懸念材料であるが、韓国は中国との友好関係を構築することと、米中対立により不利益を受けないことに重点を置く筈である、と論じています。

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 筆者のリヴィアは、国務省の東アジア専門家として、在韓大使館次席を勤めた他、北朝鮮との交渉の経験も深く、退官後はKorea Societyの会長を勤めました。この論調は、北朝鮮を巡る米韓同盟の現状を要領よく説明したものです。

 筆者は、北朝鮮核問題の打開策として、オバマ大統領が北朝鮮担当特使を任命し、北朝鮮指導部と踏み込んだ対話を行うことを提案していますが、北朝鮮が非核化交渉に応じず、核保有国としての承認を求め、更なる挑発行為も辞さない現状では、時期尚早と考えられます。当面は、全会一致で採択された国連安保理の制裁決議を厳格に実施することが先決でしょう。

 金正恩政権の無謀な行動に報奨を与えるようなことは北朝鮮の増長を招きます。北朝鮮が非核化に応ずる意思を示して初めて、ハイレベル特使任命の意味が出て来ます。それまでは、従来のニューヨーク・チャネルその他で連絡を取れば十分と思われます。

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