2024年4月20日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年4月10日

 海洋における核兵器は通常、ICBMによる第1撃後の核兵器の残存性を保障するので、核兵器国間関係の安定性に寄与します。しかし、印パ間のように海洋における核兵器が未発達で、先制すれば潰せるということになると、かえって不安定性につながります。

 A2ADについては、中国、パキスタン、イランがそれぞれのやり方で展開しています。また、A2ADは、基本的には防御的な戦略で、昔からあるものです。かつてロシアには、要塞艦隊論というのがありました。A2ADが何か新しい戦略概念であるように考える必要はありません。ただ、陸上配備弾道ミサイルをA2ADのために使うという中国のやり方は、技術的には新しいと言えるでしょう。

 インド洋は、エネルギー輸送路となっているなど、重要な海域です。今後、その重要性はますます増大するでしょう。レーマンが言うように、米印海軍協力がインド洋で進むことは、良いことです。ただし、太平洋も重要であることを、忘れてはいけません。

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